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バッテリーで動く、CO2ネットゼロの油タンカー進水。旭タンカーが発注。同型船としては世界初。緊急時には陸上に非常用電源を供給するBCP船としての活用も想定(RIEF)

2021-12-23 02:44:36

asahi0022キャプチャ

 

  旭タンカー(東京)は22日、同社が発注したCO2ネットゼロのバッテリー電気推進タンカーの第一号船が進水したと発表した。同船は重油を運搬する油タンカーで、油タンカーのバッテリー船の実用化は世界でも初めてという。CO2以外にも窒素酸化物(Nox)や硫黄酸化物(Sox)等の排出もゼロとなるほか、騒音や振動も抑えられる。自然災害発生時には船内の大容量バッテリーの電気を非常用とし て陸上に供給することも想定している。ただ、積み荷は重油だが。

 

 旭タンカーは2隻のバッテリー船を発注済みで、今回進水した第一号船は「あさひ」と命名された。香川県丸亀市の造船所、興亜産業が建造した。船の仕様は、e5ラボ(東京)が企画・デザインした「e5タンカー」を採用している。進水した「あさひ」は22年3月に竣工予定。もう一隻は徳島県小松島市の井村造船に発注済みで、23年3月の竣工予定となっている。

 

 両船とも、大容量リチウムイオン電池を動力源とするピュアバッテリータンカー。大型船舶に重油を供給する舶用燃料供給船として東京湾内に就航する。船の基幹エネルギーシステムを完全電化することで、船から排出されるCO2、NOx、SOx、ばいじん等をゼロエミッション化して環境負荷を抑制、騒音や振動もないという。その結果、乗組員の労働環境と港湾周辺環境のクリーン化、静謐化に配慮した船舶となる。

 

asahitankerキャプチャ

 

 各種自動化設備やIoTを含む様々なデジタルツールを採用しており、乗組員の船内労務の負担軽減と運航効率の向上を実現できるとしている。また自然災害発生時等には、船内のバッテリーを「緊急時給電用洋上大容量バッテリー」に転換、陸上での非常電源として活用することで、BCP(事業継続計画)対策や地域LCP(生活継続計画)に貢献することを目指すとしている。

 

 「あさひ」の仕様は、全長が62m、幅10.3m、総㌧数499㌧。大容量のリチウムイオン電池を動力源する川崎重工業製の電気推進システムを搭載している。1回の充電での航行距離で比較すると、従来のタンカーに比べ、CO2排出量を約4㌧削減できる。バッテリー搭載の分、建造費は割高になるが、逆に運用コストは削減できる見通しという。

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https://www.asahi-tanker.com/news-release/2020/303/