HOME |ソニー、バリューチェーン全体のカーボンニュートラル目標を2040年に10年前倒し。再エネ100%達成も2030年に実現。Scope3も含め。ネットゼロ企業のリーダー目指す(RIEF) |

ソニー、バリューチェーン全体のカーボンニュートラル目標を2040年に10年前倒し。再エネ100%達成も2030年に実現。Scope3も含め。ネットゼロ企業のリーダー目指す(RIEF)

2022-05-18 20:38:38

sony002キャプチャ

 ソニーグループは18日、バリューチェーン全体のカーボンニュートラルの達成目標を、従来の2050年から10年前倒しして2040年にするとともに、自社オペレーションで使用する再生可能エネルギーの100%化目標も2040年から30年に前倒しする。カーボンニュートラルの対象とする温室効果ガス(GHG)はScope1~同3をすべて含む。ソニーは「世界的に気候リスクが顕在化・深刻化し、脱炭素化社会への移行が喫緊の課題となっているため、気候分野での環境負荷低減活動を加速し、気候環境負荷ゼロの達成目標年を10年前倒しする」と述べている。

 ソニーは2010年の時点で、自社の事業活動および製品のライフサイクルを通して、地球環境に及ぼす負荷を2050年までにゼロとすることを目指す長期環境計画「Road to Zero」を公表している。同計画は、ソニーが地球環境に対して果たす「責任」を象徴し、気候変動、資源、化学物質、生物多様性の4つの視点で、目標を設定し、「環境負荷ゼロ」を総合的に実現するまでのロードマップを示している。今回、このうち気候分野での環境負荷ゼロの達成目標年の10年前倒しを決めた。

 Sony001キャプチャ

 カーボンニュートラル達成目標の2040年への前倒しは、まず、2030年までに、自社オペレーションにおける直接・間接排出(Scope1、2)のネットゼロを実現する。次いで、製品、サプライチェーン、物流などその他の排出(Scope3)も40年までにネットゼロ化し、バリューチェーン全体の全GHG排出量のカーボンニュートラルを実現する。

 カーボンニュートラルと再エネ電力100%の達成の前倒しのため、同社では、まず自社事業所における環境負荷低減活動として、グループ全体での省エネ推進、太陽光発電設備の設置、再エネ導入を進める。Scope3の削減促進では、同社の製品の省エネ化をさらに進め、ソニー製品一台当たりの年間消費電力量の低減を促す。さらに部品、材料、完成品の製造委託先等のパートナー企業に対して、GHG排出量の管理、省エネ、再エネ転換等を働きかけ、サプライチェー全体でのGHG排出量削減を目指す。

 オペレーションでの排出削減を補完する形で、炭素吸収や除去・固定技術の開発も進める。ソニーが2020年9月に創設したコーポレートベンチャーキャピタルSony Innovation Fund: Environment(SIF: E)による炭素除去等の関連スタートアップへの投資の検討や、2021年4月にSIF: Eの第一号案件として設立した株式会社SynecO(シネコ)が取り組む協生農法等の拡張生態系の普及事業による炭素吸収のクレジット化等も進める。

 ソニーによると、今回、発表したカーボンニュートラルや再エネ電力100%の達成目標の前倒しは、ソニーが企業としての「責任」として取り組んでいる対策の一部であるが、ソニーとしては、自社の技術や事業、パートナーとの共創により、地球環境への「貢献」にも積極的に取り組んでいく、としている。

https://www.sony.com/ja/SonyInfo/News/Press/202205/22-022/