HOME8.温暖化・気候変動 |神奈川県、10月下旬に同県として3度目のグリーンボンド発行。100億円。資金使途は全額、気候変動による豪雨・台風等の水災害対策に充当。「適応ボンド」(RIEF) |

神奈川県、10月下旬に同県として3度目のグリーンボンド発行。100億円。資金使途は全額、気候変動による豪雨・台風等の水災害対策に充当。「適応ボンド」(RIEF)

2022-09-13 15:58:18

kanagawa003キャプチャ

 

 神奈川県は、来月下旬、同県として3度目となるグリーンボンドを発行する。発行額は110億円。資金使途は、毎年のように発生している豪雨や台風等による水災害対策へ100%充当する。同県は今回のボンドを含め、これまでのグリーンボンドの資金使途はいずれも水災害対策に充当しており「気候適応ボンド」にフォーカスしているといえる。

 

 (写真は、同県下の河川で、赤い線で囲んだ部分をかさ上げして、増水時に対処する)

 

 同県は、2020年11月に最初グリーンボンドを50億円分発行して以来、今回で3年連続の発行となる。ボンドの償還期間は5年債で、発行額とともに昨年と同じ。調達資金は、豪雨や台風等による水災害への対策として推進している「神奈川県水防災戦略」に基づく気候変動の適応事業に充当する。https://rief-jp.org/ct4/107745

 

 主な対策事業は、①河川の緊急対応②遊水地や流路のボトルネックカ所等の整備③海岸保全施設等の整備④土砂災害防止施設の整備--の4分野。①では、氾濫の危険性が特に高い区間の堆積土砂の撤去や樹木の伐採を重点的に実施する。対象となるのは県内の酒匂川、金目川等の43 河川で81カ所。

 

適応対策事業の事例(神奈川県資料より)
適応対策事業の事例(神奈川県資料より)

 

 ②では、遊水地の整備や流路のボトルネックカ所となる鉄道橋架替等の改修を重点的、集中的に実施する。遊水地整備事業は、 柏尾川等4か所とし、鉄道橋架替事業は山王川、境川の2カ所を想定している。

 

 ③の海岸保全施設等の整備では、高潮や高波でこれまでに家屋などに被害が発生した海岸を、優先的に選んで、護岸等の海岸保全施設を整備する。対象海岸は小田原海岸、葉山海岸等の4海岸。

 

 ④の土砂災害防止施設の整備事業では、急傾斜地の土砂災害警戒区域のうち、要配慮者利用施設のある区域や、過去にがけ崩れがあった区域等、早期な対策が求められる地域を重点的に整備するとしており、今年度は276カ所となる。河川の砂防堰堤等の整備では、上総川、瀬戸沢等46カ所が重点工事地区としている。

 

 ボンド発行の主幹事は三菱UFJモルガン・スタンレー証券、SMBC日興証券、大和証券の3金融機関が担当する。セカンドオピニオンは格付投資情報センター(R&I)がICMAのグリーンボンド原則(GBP)への適合を付与している。

http://www.pref.kanagawa.jp/docs/v6g/prs/r0537054.html

http://www.pref.kanagawa.jp/documents/91352/bessi.pdf