HOME8.温暖化・気候変動 |世界の平均気温、2月も過去最高を記録。産業革命前からの上昇は「1.77℃」。1月に続いて「1.5℃目標」水準を突破。昨年6月以来、9カ月連続で観測史上最高の気温を更新(RIEF) |

世界の平均気温、2月も過去最高を記録。産業革命前からの上昇は「1.77℃」。1月に続いて「1.5℃目標」水準を突破。昨年6月以来、9カ月連続で観測史上最高の気温を更新(RIEF)

2024-03-07 23:25:55

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 今年2月の世界平均気温は、地表面での平均気温が13.54℃で、観測史上最も暖かい2月となった。これで昨年6月以来、9カ月連続で月間最高気温の記録を更新し続けたことになる。EUの気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス(C3S)」が公表した。2月の気温としては、1850~1900年の産業革命以前の2月の平均気温を1.77℃上回ったことになる。特に2月前半の平均気温は例外的に高く、8~11日の4日連続で産業革命以前の水準から「2℃」以上、上回った。パリ協定が目標とする「1.5℃」「2.0℃」の抑制目標を月単位、日単位で超えることが常態化しつつあり、1月に続いて、2024年は「沸騰の年」となりそうだ。

 

 2月の世界平均気温の13.54℃は、1991~2020年の平均気温を0.81℃上回り、これまでで2月として最も暖かかった2016年の2月の気温を0.12℃上回った。過去12月間2023320242世界平均気温19912020平均0.68回り産業革命以前平均気温も1.56回る過去最高https://rief-jp.org/ct8/142686?ctid=70

 

 地域別にみると、2月の欧州の気温は、1991~2020年の2月の平均を3.30℃上回り、中欧と東欧では従来の平均気温を大幅に上回った。ウクライナ西部のリヴィウは2月として過去最高の17.8℃を記録。西欧では、英国のイングランドとウェールズが1884年の記録以来最も暖かい2月となり、スイスも1864年の記録開始以来最も暖かかった。欧州で平均気温わずか下回主にノルウェースウェーデン国境沿いだけだ

 

 欧州以外では、シベリア北部、北米中西部、南米の大部分、アフリカ全域、オーストラリア西部で平年を上回った。米国中西部は気温上昇と異常乾燥の影響で、ネブラスカオマハアイオワデモインミネソタミネアポリス等で2月の最高気温を更新した。南米の大部分では、山火事が多発した。https://rief-jp.org/ct4/141898?ctid=70

 

 海面水温も引き続き高水準となった。太平洋の赤道付近で起きていたエルニーニョ現象は弱まり続けているが、海面水温は全般的に異常な高水準を維持した。海面水温が平年より高い海域は、南極大陸からインド洋南部へと広がり、大西洋と太平洋の南流域の一部にも及んだ。海面水温は広い範囲で記録的な高さとなり、熱帯の大部分、北大西洋東部と北太平洋、特に日本の東側で1991~2020年の平均気温を概ね上回った。海面水温が世界平均を下回ったのは、海洋全体の比較的狭い範囲特に南半球日本の北部北大西洋西部太平洋東部一部にとどまった。

 

地球全体の2月の海面水温の動向(「赤い」水温上昇の領域が多くを占める)
地球全体の2月の海面水温の動向(「赤い」水温上昇の領域が多くを占める)

 

 南緯60°~北緯60°の2月の平均海面水温は 21.06℃で、今回のエルニーニョの影響で最高水温だった2023年8月(20.98℃)を上回った。海面水温は、南緯60°~北緯60°までの極域外の海域を対象としている。日平均海面水温は、2月末に21.09℃まで上昇し、過去最高値を更新した。

 

 2月前半に、4日連続で産業革命前の気温水準を2℃上回ったのは、昨年11月17~18日に続いて2度目。「1.5℃」突破が月単位、年単位で平均化する中で、日単位での「2.0℃」突破日も増えている。世界平均気温北米ユーラシア大陸同時に高温偏差を伴った。

 

 北半球全体での冬の気温をみると、1991~2020 年の平均を 0.78℃上回り、世界的に最も暖かかった。欧州の冬の気温は、1991~2020 年の平均を 1.44℃上回り、2019/2020 年の冬に次いで記録的な暖冬となった。

https://climate.copernicus.eu/surface-air-temperature-february-2024