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日本が過去12年に世界各地で建設した石炭火力は27基、日本の国内排出量の10分の1を「追加排出」。国内の石炭火力大増設問題だけではない(FOE)

2015-06-13 01:55:34

https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=D_5TjlYyVMc#t=70

【過去12年間で、日本は世界各地で27基の石炭火力発電所を建設してきました。これらは、日本国内排出量の10分の1にあたる1.2億トンのCO2を、今後40年にわたって毎年排出し続けることになります。G7サミットより】



安部首相がドイツ・エルマウで日本の気候目標案を他のG7首脳に説明している間も、安部政権下の政府は大規模な石炭火力発電所の増設や原発の再稼動・輸出を「気候変動対策」の名で進めています。



6月2日に発表され7月中に確定を目指す気候目標政府案では、2030年時点で4分の1以上の電力を石炭火力で(化石燃料の中でも最もCO2排出係数が高い)、5分の1以上を原発で(福島第一原発事故は全く収束しておらず全国で再稼動反対が起きているにもかかわらず)というものです *1) 。

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安部首相の方針でこれまで確認されただけでも43の新規石炭火発計画ラッシュが起きています *2) (一部は2020年の東京オリンピック向けと言われます)。政府はまた日本の”高効率” 石炭火発と原発の輸出を日本の経済復興戦略「三本の矢」の柱に据え、世界の気候変動対策への貢献と位置づけています。

日本は世界第5位の温室効果ガス排出国であり、発表された政府案の「現在からマイナス26%の排出削減」は世界からは公正ではなく日本の責任に見合うものでもないと見られています *3)。世界の科学者達はこのままでは3度を超える気温上昇が起きてしまうと警告しており、今世紀半ばまでには脱化石燃料を果たさねばなりません。

 

しかし、40年を超える運転寿命を持つ新設石炭火発は世紀後半まで大量のCO2を排出し続けます。原子力も、取り返しのつかない事故のリスクや使用済み燃料、いまだに10万人以上の福島からの避難民が帰れずにいる状況の中で、選択肢とはなりません。今日本が取るべき道は、クリーンなエネルギーへの抜本的な政策転換のみのはずです。



日本はG7諸国だけでなく先進国のどの国よりも石炭火力輸出に公的資金をつぎ込んでいる国であり *4) 、精力的な原発輸出国でもあります。しかしFoE Japanによるものも含む最近の研究では日本が輸出する石炭火発は”クリーン”でも”安全”でもないことが明らかになっています。別の研究では、日本による融資を含む東南アジア及び東アジアで分かっている新規建設計画だけで大気汚染により2030年までに毎年4万人以上の追加的な死者数が見込まれています *5)。



今日、アジアからアフリカ、アメリカやヨーロッパまで国際的に連帯した石炭火発に反対する運動 *6) が広がっています。世界の市民はエルマウに集まったG7首脳、とりわけ危うい技術を推進し続ける安部首相に対し、クリーンで安全なエネルギーへの大胆な転換を求めています。


*1 http://www.foejapan.org/energy/news/150428.html
*2 http://sekitan.jp/data/
*3 http://www.foejapan.org/climate/library/150430.html
*4 http://sekitan.jp/jbic/?p=968
*5 近日中にアップロードの予定 http://sekitan.jp/jbic/
*6 go to https://www.facebook.com/foeint

 

http://www.foejapan.org/climate/doc/bonn150608.html