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東京電力「原子力改革タスクフォース」、事故時の東電経営陣の責任に言及 (FGW)
2012-10-13 06:41:46

東京電力は12日、社内の「原子力改革特別タスクフォース」(広瀬直己社長タスクフォース長)の報告を公表した。この中で、「原子力トップマネジメントからの改革」と題して、今回の福島第一原発の事故は、事前の備えができていなかったことであり、改善や安全性向上の改革プラン」が必要としている。この点は、事前の備えがあれば、原発稼働は正当化されるとの見方を強調したものだが、その一方で、そうした点を欠いて事故が起きたことは、当時の経営層に「防げたはずの事故」を引き起こした「経営責任」が存在することを認めたことにもなる。
報告は、「事前の津波評価の時に、必要な対策を採れたのではないか?」との自問に自答する形で展開されている。この「事前の対策」には、「深層防護の原則」(異常の発生を否定するのではなく、想定し、異常の拡大も想定したうえで対策を講じること)で対処することは可能であった、としている。
また、新潟の柏崎事故発生時の2002年以降、過酷事故対策を継続的に強化していれば、事故の影響緩和が図れた、との指摘を加えている。
特に津波の来襲を過小に評価した点については、「経営層が重大な問題に対して、迅速・的確な判断や指示を行うための体制が不十分だった」と経営責任を指摘、さらに過酷事故対策が不足していた点についても「経営層に、日本では過酷事故は極めて起こりにくいという油断があった」「過酷事故対策の必要性を認めると、訴訟上のリスクとなると懸念した」「過酷事故対策を採ることが、立地地域や国民の不安を掻き立てて、反対運動 が勢いづくことを心配した」などと、経営判断のミスの積み重なりを認めている。
さらに、事故発生時の混乱が被害を拡大した点についても、従来は当時の官邸(菅前首相)の指示への批判を常に繰り返してきたが、今報告書ではその点は指摘しながらも、「事故時にもっと上手に影響を緩和ができたのではないか?」と自問、形式だけの訓練ではなく、実際に事故対応のための能力のある組織に切り替わっていれば、混乱を克服できたとの視点を示している。
これらの指摘のいくつかは、国会や政府の事故調査委員会でも触れられているが、今回の報告は東電自身のものであり、事故時の経営陣の経営責任を明確に指摘している点で、今後、株主代表訴訟や、司法当局の捜査に影響する可能性がある。当時の勝俣会長、清水社長はともに辞任しているが、経営責任をとっての辞任という形ではなく、清水社長は東電関連会社に“天下り”している。
現東電経営陣としては、事故は当時の経営陣のミスによるものと位置付けることで、経営改革をしっかり行えば、今後の原発再稼働につなげることができるとの判断から、今回の報告書をまとめたものとみられる。そういう風に世論の理解と、政治の判断が展開するかには、現経営陣が本報告書の趣旨に沿う形で、前経営陣の経営責任を問う株主代表訴訟を提起するのが一つの道かもしれない。(FGW)
第一回原子力改革監視委員会資料「原子力改革の進め方」 http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu12_j/images/121012j0101.pdf

































Research Institute for Environmental Finance