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焦点:投資家の運用難が深刻化、社会的責任投資に関心(Reuters) 人口増、環境負荷への対応企業を選択
2012-11-10 13:25:18
[ロンドン ロイター] 世界経済が冬の時代を迎え、投資家の運用難が深刻化するなか、一部の市場関係者の間で「社会的責任投資(SRI)」や「環境・社会・ガバナンス(ESG)経営」への関心が集まっている。現時点での運用実績は芳しくないものの、世界経済の低成長、人口増加、天然資源の不足といった問題は短期間では解決できないとの見方が多く、環境技術に優れ、企業統治や規制の問題もクリアできる「新たな成長」企業を探す動きが出ている。

10月31日、一部の市場関係者の間で「社会的責任投資(SRI)」や「環境・社会・ガバナンス(ESG)経営」への関心が集まっている。昨年8月撮影(2012年 ロイター/Yuriko Nakao)
英資産運用会社シュローダーは、人口増加、環境負荷、デレバレッジに伴う需要収縮のリスクを指摘するリポートをまとめた。世界の人口はわずか12年間で60億人から70億人に増加、2050年までにさらに30%増加する見通しだ。人口増加の問題は古くから指摘されているが、新興国の成長を考えれば、食料・エネルギーなど天然資源に及ぼす影響は甚大だ。
シュローダーのリポートによると、世界の全人口が、米国人と同じ消費水準を実現するには、地球の生態系の3倍の能力が必要になるという。また、英環境調査会社トゥルーコストが国連の委託でまとめた統計によると、世界の上場企業上位3000社による環境被害は2兆2500億ドルと、世界の域内総生産(GDP)の3.5%、上位3000社の利益総額の3分の1に達する。
シュローダーは、今後の株式投資を考える上で以下の3つのポイントを挙げている。
1)持続可能なバランスを維持するため、最終的には政府の規制が必要となり、市場もその影響を受ける。
2)効率的に資源を利用できる企業が、市場で評価される。
3)イノベーションを通じてこうした課題を解決できる企業が勝ち組となる。
シュローダーは具体的には、ハイブリッド車や電気自動車の分野で先行するトヨタや、水のいらないドライシャンプーやすすぎ1回で洗濯ができる商品を開発するユニリーバーなどを挙げている。新技術では、優れた強度を持つ炭素素材で、海水淡水化やDNA塩基配列の解読への応用も期待されている「グラフェン」を取り上げた。
リポートは「長期投資を考える投資家は、非常に効率的な資源利用を実現し、状況の変化にいち早く対応できる柔軟性のある企業に投資することで、ポートフォリオのリスクを最小限に抑えることができる」と分析している。
HSBCによると、欧州のSRIの運用額は、2005年のほぼゼロから、2010年には8兆ドル強に急増。米国でも約3兆ドルが運用されている。SRIやESGの原則に準拠した投資を求める年金基金などが増えていることも見逃せない。投資先の透明性強化を求める受益者の声に配慮したことなどが背景とみられる。問題は運用実績だ。
MSCIワールドESGインデックスやダウ・ジョーンズ・サステナビリティー・ワールド・インデックスは、過去2年間のパフォーマンスが、国際的なベンチマークを2─6%程度下回っている。ただ、山積する世界経済の課題は短期的には解決できないとの見方が多く、潜在的な収益チャンスを期待できるとの声もある。
HSBCは「ESGは今後さらに発展するコンセプトだ」と指摘。「ファンドマネジャーが今以上に時間をかける分野であることは間違いない」と分析している。
(Mike Dolan 記者;翻訳 深滝壱哉;編集 田中志保)
http://jp.reuters.com/article/jpENVtechnology/idJPTYE89U06Q20121031?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0

英資産運用会社シュローダーは、人口増加、環境負荷、デレバレッジに伴う需要収縮のリスクを指摘するリポートをまとめた。世界の人口はわずか12年間で60億人から70億人に増加、2050年までにさらに30%増加する見通しだ。人口増加の問題は古くから指摘されているが、新興国の成長を考えれば、食料・エネルギーなど天然資源に及ぼす影響は甚大だ。
シュローダーのリポートによると、世界の全人口が、米国人と同じ消費水準を実現するには、地球の生態系の3倍の能力が必要になるという。また、英環境調査会社トゥルーコストが国連の委託でまとめた統計によると、世界の上場企業上位3000社による環境被害は2兆2500億ドルと、世界の域内総生産(GDP)の3.5%、上位3000社の利益総額の3分の1に達する。
シュローダーは、今後の株式投資を考える上で以下の3つのポイントを挙げている。
1)持続可能なバランスを維持するため、最終的には政府の規制が必要となり、市場もその影響を受ける。
2)効率的に資源を利用できる企業が、市場で評価される。
3)イノベーションを通じてこうした課題を解決できる企業が勝ち組となる。
シュローダーは具体的には、ハイブリッド車や電気自動車の分野で先行するトヨタや、水のいらないドライシャンプーやすすぎ1回で洗濯ができる商品を開発するユニリーバーなどを挙げている。新技術では、優れた強度を持つ炭素素材で、海水淡水化やDNA塩基配列の解読への応用も期待されている「グラフェン」を取り上げた。
リポートは「長期投資を考える投資家は、非常に効率的な資源利用を実現し、状況の変化にいち早く対応できる柔軟性のある企業に投資することで、ポートフォリオのリスクを最小限に抑えることができる」と分析している。
HSBCによると、欧州のSRIの運用額は、2005年のほぼゼロから、2010年には8兆ドル強に急増。米国でも約3兆ドルが運用されている。SRIやESGの原則に準拠した投資を求める年金基金などが増えていることも見逃せない。投資先の透明性強化を求める受益者の声に配慮したことなどが背景とみられる。問題は運用実績だ。
MSCIワールドESGインデックスやダウ・ジョーンズ・サステナビリティー・ワールド・インデックスは、過去2年間のパフォーマンスが、国際的なベンチマークを2─6%程度下回っている。ただ、山積する世界経済の課題は短期的には解決できないとの見方が多く、潜在的な収益チャンスを期待できるとの声もある。
HSBCは「ESGは今後さらに発展するコンセプトだ」と指摘。「ファンドマネジャーが今以上に時間をかける分野であることは間違いない」と分析している。
(Mike Dolan 記者;翻訳 深滝壱哉;編集 田中志保)
http://jp.reuters.com/article/jpENVtechnology/idJPTYE89U06Q20121031?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0

































Research Institute for Environmental Finance