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サウジなど産油国が 超メガソーラー事業導入で GHG大幅削減を発表。サウジは電力輸出も計画。 ドーハのCOP18で(FGW)

2012-12-08 04:10:11

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カタールのドーハで開いた国連気候変動枠組条約第18回締約国会議(COP18)は、各国の政治的駆け引きの場となった。その中で、会議を初めて中東で主催したカタールやサウジアラビアなどの産油国が、大規模な超メガソーラー計画を発表、発電に占める再生可能エネルギーのウエイトを現状のゼロ状態から、一気に16~30%前後に引き上げる大胆な公約をしたことが話題となっている。

カタールの公約は、1000億㌦~2000億㌦を投じて、1.8ギガワットの超メガソーラー事業を実施するというもの。同国の再生可能エネ比率は、現在ほぼゼロだが、このプロジェクトが完成すると一気に16%に上昇する。2014年に事業の入札を始める予定という。事業全体が完成するのは2018年の見込み。同国では太陽光で発電した電力は主に、同国の海水淡水化プロジェクトの電力に使う予定。現在は同事業の電力は主にガス発電でまかなっている。

一方、サウジアラビアも「ソーラー・エネルギープラン」を公表、2020年までに16ギガワットのソーラー発電を展開、再生エネ比率の引き上げを図る。投資額は1090億㌦を予定しており、この額は2011年に世界中で投資されたソーラー事業額(1360億㌦)の8割に相当する。大規模なソーラー事業投資によって、同国の再生可能エネ比率は現在のゼロから2030年に30%に上昇する見込み。2013年初めにもプロジェクトの建設作業に入る予定。 今後20年間に41,000メガワットのソーラー発電所を建設すrことになる。その発電規模は、 石油換算で52万3000バレル/日量に相当する。

サウジの計画では、将来的には太陽光で発電した電気を、欧州諸国に輸出する予定という。トルコ経由で、冬季の欧州での暖房需要を市場として見込んでいる。サウジの高官は「ソーラー発電事業の計画は、環境配慮の慈善活動ではなく、あくまでもビジネス」」と明言している。サウジが原油輸出と太陽光発電電気輸出をどう調整するかは定かではないが、原油輸出を抑えるとは語っていないことから、世界のエネルギー市場の需給、価格動向を見据えながら、化石燃料と再生可能燃料をともに輸出していくとみられる。

産油国は過去、温暖化問題に対しては石油需要を抑える要因となることから、厳しい規制に難色を示してきた。しかし、地球温暖化が科学的に不可避であることが明確になっていくなかで、むしろ、太陽光資源のあふれる産油国の利点を生かして、太陽光発電を積極活用する方向に政策転換してきた。サウジなど、砂漠の国では日中の温度が50度を越える日もあり、しかも広大な砂漠地帯では立地問題もほとんど発生しない。サウジの場合、原油産出の3割ほどは、国内での夏季期間等での冷房に使っており、これらのエネルギー需要を太陽発電で代替し、かつ新たな輸出源に育てたいとしている。

産油国の太陽光投資は、世界中のソーラーメーカー等にとって新たな大規模市場の出現となる。すでに水面下では両国での事業を受注する活動が展開されているほか、周辺の他の産油国でも太陽光事業売り込みの競争が激化しつつあるという。ただ、産油国はソーラー発電増加の見返りに、原油生産量を減らそうとしているわけではない。あくまでも両方の活動を続けることで、経済的な利益を追求するとしている。しかし、太陽光発電市場の需要は急拡大することは間違いなく、その分、再生可能エネ市場の拡大、価格低下等の期待が出てくる。