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宇宙デブリ捕獲計画で、衛星からデブリに銛を打ち込むことに成功。英国の大学チーム。昨年はクモの巣上の網での捕獲も。宇宙のゴミ掃除実現の可能性高まる(RIEF)

2019-02-18 08:40:17

 

  宇宙の衛星軌道上に漂うロケットや人工衛星等の残骸である宇宙ゴミ(スペースデブリ)を回収する実験が英国の科学者たちによって実施され、成功した。衛星から漂うデブリに向けて銛(もり)状のものを撃ち込んで捕獲する仕組み。銛を命中させたのは初めて。

 

 宇宙空間上で実証実験を行ったのは、英サリー大学等が中心になって進めている宇宙ゴミ回収の¥リムーブデブリ」計画の一環。英国の科学者らが昨年、宇宙ゴミの増大阻止を狙って開始した「リムーブデブリ」計画の一環。

 

ケーブルの先端は衛星から打ち込まれた銛
ケーブルの先端は衛星から打ち込まれた銛

 

 同計画では、昨年も衛星に内蔵したクモの糸のような網をデブリに向けて投射し、捕獲することに成功している。網での捕獲は、小規模なデブリをまとめて捕獲することに適しているが、今回の銛による捕獲は比較的大きいサイズのデブリを個別に捕獲することに利用できるとみられる。

 

 同チームでは3月には最後の実験として、大きな帆を膨らませて、捕獲したデブリを満載した衛星を地球の大気圏内へ導き、燃やして破壊する実験を行う予定だ。

 

昨年3月に実施した網を投射する実験
昨年3月に実施した網を投射する実験

 

 米国の「宇宙監視ネットワーク」によると、地球の周回軌道内や周辺にある宇宙ゴミの総量は推定7600㌧以上あるという。米航空宇宙局(NASA)は、こうした無数のデブリは、スペースシャトルや宇宙飛行士、国際宇宙ステーションに衝突する可能性が年々高まっており、宇宙空間上の現実的な危機になっていると警告している。

https://www.cnn.co.jp/fringe/35132840.html