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福島第一原発 「K排水路」の汚染水、また流出。4月以降7回目。排水ポンプ、フル稼働でも溢れる。しかし、東電「対策講じる考えない」と説明(RIEF)

2015-09-10 14:20:21

fukushimaroueiキャプチャ

東京電力福島第一原発で9日、原子炉建屋周辺の雨水などを集める「K排水路」の水が再び、堰を越えて外洋に流出した。7日も流出している。K排水路の水は、ポンプでC排水路にポンプで移送されるが、ポンプの能力を上回る雨量があったことになる。しかし、東電は「新たな対策をとる予定はない」と説明しているという。

 

 K排水路は事故発生以降、高濃度の放射性物質を含んだ汚染水が流れ、外洋に流出していたことが今年の2月に判明した。東電は排水路の汚染水が流出しているのを知りながら、対策をとらず放置していた。発覚後、廃水が外洋ではなく、港湾内に流れるよう排水路を付け替える工事をしている。

 

 しかし、工事の完成は来年3月ころの予定で、それまでの暫定作業としてC排水路に移送している。しかし、今年の4月以降、流出が疑わしいものを含めると今回で7回目の流出を起こしたことになる。外洋流出放置が判明した際、東電は「流出は年二4~5回」と説明していたが、すでに倍近く発生している。

 

 しかも、今回、C排水路への移送用ポンプ8台はすべて順調に稼動していたことで、現状の設備ではポンプの能力が限界であることを裏付けた。つまり、これからも豪雨があると、外洋流出を防げない体制のままということになる。しかし、東京新聞の報道によると、ポンプの増設等の対策が必要なのにもかかわらず、「排水路の付け替えが終わる来年三月ごろまでの間、新たな対策を取る予定はない」としているという。

 

ポンプのくみ上げ能力は毎時計2000㌧で、1時間に一14mm以上の雨が降ると水が堰を越えてしまうと説明している。しかし、実際は9日も原発周辺の降雨量は14mmには達しなかったが、2度にわたり約2時間半にわたってあふれた。流出量についても東電は「不明」としている。

 

 K排水路排水口の9日の放射能濃度は、セシウム1㍑当たり680ベクレル、ストロンチウムなどベータ線を出す全ベータ値が970ベクレルと、それぞれ7日の流出時よりも上昇し、最近での最高値となっている。