みずほフィナンシャルグル-プ、ネットゼロ目標に向け、石油・ガス、石炭採掘(一般炭)の2セクターの2030年度中間目標設定。昨年の電力セクターに次ぐ。Scope3の削減を重視(RIEF)
2023-01-05 13:38:54
みずほフィナンシャルグループは、2050年ネットゼロに向け、炭素集約型産業への投融資(financed emission)の2030年度の中期目標として、石油・ガス、石炭採掘(一般炭)の2分野の目標を設定した。石油・ガスセクターではScope1~2の排出原単位を36%削減(2019年度比)するほか、Scope3は絶対排出量で12~29%削減(同)に設定。石炭採掘はScope1~3全体をOECD諸国では30年度までにゼロ、非OECD諸国では40年度までにゼロとする。
みずほは、ネットゼロに向けて炭素集約型産業を対象としてセクター別の中期目標を設定している。すでに昨年5月に電力セクターについて、邦銀で初めて石炭火力発電企業の新規顧客との取引の禁止を宣言したほか、同事業向け与信残高を2030年度までに50%削減(同)、40年度までに残高ゼロとした。同セクター向けScope3全体も30年度に40~64%削減(138–232kgCO2/MWh)とする目標を設定している。https://rief-jp.org/ct1/125110
今回、新たに目標を設定した2セクターのうち、石油・ガス分野では、化石燃料の使用削減を通じた絶対排出量削減と、事業者による石油・ガスの生産プロセス改善を通じた排出原単位削減の両方の対応が必要として、前者のScope3と後者のScope1~2の排出量に分けて、目標を設定した。同セクターのGHG排出量の8割はScope3が占める。
石炭採掘セクターはScope1~3を対象として、排出絶対量をOECD諸国での事業については2030年度にゼロ、 非OECD諸国で40年度ゼロとする。現状は 5.1Mt CO2e(2020年度実績)となっている。石炭採掘事業もGHG排出量の9割以上をScope3が占める。
両セクターともScope3のウエイトが高いことから、それぞれの需要サイドの脱炭素化取り組みを促進するため、両セクターの顧客企業等に向けたエンゲージメント活動を行う。脱炭素化、エネルギー転換等の移行への対応状況の確認とともに、金融・非金融両面からの脱炭素化促進のソリューションの提供等によって、両セクターの取引先の事業構造転換や生産プロセス改善等のサポートを展開する。これらの取り組みに際しては、エネルギー安定供給などの社会的な影響も考慮するとしている。
みずほでは、今回の両セクターに続いて、鉄鋼、自動車、海運の各セクターについても、同様に中間目標の設定に向けた検討を開始している。各セクターの脱炭素化移行等を促進するために、2019年度~30年度に、累計25兆円のサステナブルファイナンスを提供する。このうち環境ファイナンス額を12兆円と設定している。
https://www.mizuho-fg.co.jp/release/20221229_2release_jp.html
https://www.mizuho-fg.co.jp/release/pdf/20221229_2release_jp_1.pdf
https://www.mizuho-fg.co.jp/release/pdf/20221229_2release_jp_2.pdf