HOME13 原発 |ロシア兵、一時占拠したチェルノブイリ原発から放射性物質持ち出し。兵士が自宅用の「お土産」としたか。拡散リスクも。ウクライナ当局は「死につながる」と警告(RIEF) |

ロシア兵、一時占拠したチェルノブイリ原発から放射性物質持ち出し。兵士が自宅用の「お土産」としたか。拡散リスクも。ウクライナ当局は「死につながる」と警告(RIEF)

2022-04-14 14:03:27

 

  ロシアのウクライナ侵攻で一時、ロシア軍に占拠されたチェルノブイリ原発から、放射性物質が持ち出されていることがわかった。同原発の立ち入り禁止区域を管理するウクライナ当局が公表した。同原発内の研究設備から133件の高放射性物質が持ち出されていたとしている。同機関は「このうちごく一部でも専門家以外が安易に扱うと死につながりかねない」と警告している。

 

 チェルノブイリ原発は、2月24日に侵攻してきたロシア軍によって占拠された。その後、3月31日に同軍は撤退し、ウクライナ側に返還された形となっている。撤退に先だって複数のロシア軍兵士が、立ち入り禁止区域で塹壕を掘った影響で、放射線被爆を受けたとみられている。https://rief-jp.org/ct13/123917?ctid=76

 

 同原発の管理を取り戻したウクライナ側がその後、原発設備の状況を調べたところ、 研究設備の「Ecocentre」から133件に及ぶ高放射性物質が紛失していることがわかったという。ロシア軍はウクライナ各地に攻め込んだ際、住宅や店舗から戦利品を持ち帰っており、同原発の物品についても同様の感覚で、個々の兵士たちが持ち帰った可能性が指摘されている。

チェルノブイリ原発敷地内にロシア軍が構築しようとした塹壕の跡
チェルノブイリ原発敷地内にロシア軍が構築しようとした塹壕の跡

 ウクライナのエネルギー相のGerman Gulashchenko氏は今週初め、返還された立ち入り禁止区域を視察した。その後、ロシア軍が同原発を占拠中に、相当量の放射線被爆を受けたとの見方を示した。同氏によると「ロシア兵は、同原発内に塹壕を築くため、事故で放射線に汚染された土壌を、そのまま土嚢に袋詰めする作業を実施し、舞い上がった放射性物質を体内に吸い込んだとみられる。彼らの命は、1年と持たないだろう」と指摘した。

 さらに同氏は、「すべてのロシア兵がチェルノブイリの物品を自宅に持ち帰ったとみられる。彼らは生死に直面するだろう」と述べた。また塹壕を構築途中で放棄された現場には、ロシア軍の使用不能となった兵器等も埋められていたとしている。同原発の研究設備では、原発周辺の放射線量を測定する自動モニタリングデータ設備等も破壊され、多くの物品が持ち出されているという。

 軍事行動中に被爆したとされるロシア兵は、ベラルーシの病院に移送され、死亡したとみられるほか、それ以外にも負傷した兵が複数いるとみられている。https://rief-jp.org/ct13/123973?ctid=76

https://www.abc.net.au/news/2022-04-11/russians-stole-radioactive-substance-chernobyl/100981372