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ジェイバリュー信託、運用型信託で初の証券化商品開発。岡山県での風力発電事業の収益を小口化、投資家に販売(RIEF)

2020-03-05 11:16:35

jayvalueキャプチャ

 

 半導体大手アドバンテック傘下の信託専業会社、ジェイバリュー信託(東京)は、風力発電所からの電力売却収益を裏付けにしたプロジェクトボンド170億円を機関投資家向けに発行する。運用型信託の機能を使って、収益を小口化して投資家に販売する。債券のリターンは風力発電の収益に連動する。

 

 同社が信託機能を使って債券化した風力発電事業は、クリーンエナジーファクトリー(CEF:北海道根室市)が岡山県津山市に建設するCEF津山ウインドファーム事業。総工費は約185億円。発電能力は約65MWで、一般家庭4万世帯の年間の消費量に相当する電力を供給する予定。稼働は2021年以降の見通し。

 

 ジェイバリューはCEF津山ウインドファームに融資したシニアローンをSMBC日興証券に信託し、その信託受益権とABL(動産担保融資)をプロジェクトボンドとして投資家に販売する。受益権とABLの元利金は電力の売電収入(四国電力)が原資となる。発行するプロジェクトボンドは、信託受益権とABL(動産担保融資)合計170億円分。発行期間は2年、20年、22年の3種類。信託受益権とABLには格付投資情報センター(R&I)がBBBの格付を付与した。

 

 ジェイバリューは昨年3月、金融庁から運用型信託の免許を取得している。同信託を活用することで、同社は風力発電や太陽光発電等の再エネ事業者から委託を受けて、再エネ事業からの売電による収益の一部を配当とする債券を投資家に販売する。同信託を使うことで、再エネ事業者は、再エネ事業費の回収を前倒しできる。今回はその第一弾だ。http://rief-jp.org/ct4/87929

 

 ジェイバリューは今回小口化した債券を、2021年夏までに発行し、SMBC日興証券を通じて生命保険会社や地方銀行に販売する予定だ。今後、風力発電のほか、太陽光など幅広く再エネ事業を対象とした信託事業を拡大する方針で、2年後に1300億円の受託残高を目指している。

 

 CEFは、固定価格買取(FIT)制度以前の 2000 年に設立された風力・太陽光発電事業会社。これまで 30万4500kW、145 基の風力発電の建設・コミッショニング・運営サービスを手掛け、風力発電の開発・運営では18万1500kW、96基の実績がある。

https://www.r-i.co.jp/news_release_sf/2020/03/news_release_sf_20200305_14193_16046_1_P_jpn.pdf

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