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RIEF論文 「日本の株式市場のESGデータ解析からのインプリケーション」(ソーシャルインパクト・リサーチ 熊沢拓)

2017-08-23 18:17:43

kumaキャプチャ

 

 ESG投資と呼ばれる責任投資は、財務情報に加えて、環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)情報などの非財務情報を活用する投資である。世界ではこのESG投資が拡大している。その牽引役は、2006年に発足したPrinciple for Responsible Investment(PRI)であり、署名している機関投資家の活動がESG投資の普及に大きな役割を果たしている。

 

  日本は欧米に比べるとESG投資の普及が遅れていた。しかしながら、2015年9月に年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のPRI署名以降、日本でもESG投資の機運が急速に高まっている。ただし現状では、多くの日本の機関投資家は、ESG投資は超過リターンを得るのは難しいという否定的なスタンスがみられる。

 

 本論文は、日本の株式市場を対象としてESG投資のデータ解析から知見を得ることを目的とする。第1に企業の財務パフォーマンスとESGパフォーマンスの統合度合いについて考察する。第2に、企業の財務パフォーマンスとESGパフォーマンスと企業価値、及び超過リターンの関係を考察する。第3に、企業のESGパフォーマンスの中で、E、S、Gのどの分野が超過リターンに寄与しているかをデータ解析によって解明する。第4に、財務パフォーマンスとESGパフォーマンスを統合した企業価値モデルについて考察を行う。最後に問う論文のまとめと課題について考察する。

 

 

 

熊沢拓(くまざわ・たく) (株)ソーシャルインパクト・リサーチ代表パートナー。 日本合同ファイナンス(株式会社ジャフコ)、ソフトバンク・インターネットファンド、HSBC証券、三菱UFJキャピタルなどを経て、2010年、同リサーチを立ち上げる。<takukumazawa@gmail.com>

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