HOME |滋賀銀行。同行初の「ポジティブ・インパクト・ファイナンス(PIF)」。小児がんや肝胆疾患等の希少疾患用医薬品を開発する地元の医薬品会社に5億円提供(RIEF) |

滋賀銀行。同行初の「ポジティブ・インパクト・ファイナンス(PIF)」。小児がんや肝胆疾患等の希少疾患用医薬品を開発する地元の医薬品会社に5億円提供(RIEF)

2021-09-30 18:36:17

Shigaginキャプチャ

 滋賀銀行は、同行初の「ポジティブ・インパクト・ファイナンス(PIF)」として、地元滋賀県の企業に5億円の融資を実行した。PIFは企業活動が環境・社会・経済に及ぼすポジティブインパクトを拡大し、ネガティブインパクトの低減を資金面から支援するもの。希少疾患用医薬品の研究・開発に取り組む医薬品企業への支援融資を実施した。

 PIFは、国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)が提唱する「ポジティブインパクト金融原則」に適合した融資を対象とする。

 今回、滋賀銀のPIF融資の対象になったのは滋賀県甲賀市の大原薬品工業。同社は小児がんや肝胆疾患等を対象としたオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)の開発に力を入れている。こうした同社の事業について、人的資本に質的にも量的にもよい変化をもたらすと評価。

 そのうえで、医薬品の開発や販売を通じて医療現場や患者との関係の発展が、「患者とその家族のQOL(生活の質)の向上」というポジティブインパクトを生み出すと位置付けた。

 一方で、医薬品の生産工程における過度の採取、排出は水資源、土壌、大気、生態系、一 次資源などの自然資本を劣化させ、気候変動や廃棄物の拡散につながるネガティブインパクトの影響があるとして、これらのインパクトの低減を特定した。

 ネガティブインパクトの重点項目としては「気候」「廃棄物」をあげ、 その他として「水質」「大気」「資源効率・安全性」を列記。少なくとも年に1度の割合で、ポジティブインパクトの達成状況とネガティ ブインパクトの管理状況を確認する。

 滋賀銀は、大原薬品の開発パイプライン状況等の公開情報の確認や、対話活動でのフォローアップ体制を整備、両インパクトの目標達成の実現を促す。大原薬品はこれに対応するデータ収集などのKPIをモニタリングし、可能な限り開示するとしている。

  https://www.shigagin.com/news/topix/2474

https://www.shigagin.com/pdf/topics_210928_PIF_system.pdf