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ソニー銀行。国内金融機関として初のサステナビリティ・リンク・ボンド(SLB)200億円発行。KPIは省エネのZEH向け住宅ローン。適格ローンを5年後に4.8倍増目指す(RIEF)

2024-02-14 13:01:57

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 ソニー銀行は14日、国内銀行として初めてとなるサステナビリティ・リンク・ボンド(SLB)を200億円発行した。SLBの評価基準となる重要業績指標(KPI)は、ネットゼロ住宅(ZEH)等の環境負荷の少ない住宅ローン資金とし、サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(SPT)は2027年度までに適格融資を現行より4.8倍増に増やすとしている。ESG投融資残高も2030年度まででに現行の約5倍の2500億円に増やす目標を立てている。

 

 同行は2020年にグリーンボンドを発行しており、ESG債の発行は今回が2回目となる。SLBは期間5年。 主幹事はSMC日興証券、大和証券の2社。セカンドオピニオンは格付け投資情報センター(R&I)がICMAのSLB原則などへの適合評価を付与した。

 

 KPIの「適格基準を満たす省エネルギー性に優れた建物を対象とした住宅ローン融資残高」の対象となるZEH住宅は、住宅の外皮の断熱性能などを大幅に向上させたり高効率の設備システム等により大幅な省エネを実現するとともに、太陽光発電等の再エネ設備の導入で年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとする住宅をいう。資金使途先の住宅ローンについては、ZEHのほか、 Nearly ZEH、ZEH Ready、ZEH Oriented、ZEH+等も含む。戸建てだけでなく、ZEH集合住宅も対象。また国土交通省のBELS 基準の5つ星、4つ星なども対象とする。

 

 同行のこれまでのZEH対応住宅ローン残高は、2020年度8億円、21年度162億円、22年度187億円と増加基調をたどっている。今回のSLBの資金調達を皮切りに、ZEH対応住宅ローンをさらに加速させ、27年度に872億円にまで引き上げる。SPTの評価は同年度までだが、30年度には1770億円にまで増やす計画だ。

 

 同行では今回のSLBの発行について「事業活動を通じてステークホルダーの価値提供を図るとともに、持続可能な社会の実現に向けて、とする『ソニーグループの環境ビジョン』に基づき、低炭素住宅の普及を推進する」としている。SPTを達成できなかった場合は、社債発行額の0.1%相当額を環境保全活動を展開する公益社団法人や自治体等に寄付するとしている。

 

 同行はインターネット銀行で、基本的に環境負荷が少ない利点を生かし、「カーボンオフセット銀行」を掲げている 。2008年度から業務で使用するすべての電力(業務委託分を除く)からのCO2を、グリーン電力証書やJ-クレジット等により、100%オフセットしている。

https://sonybank.net/pdf/press240214_01.pdf