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国際協力銀行 証券会社から「過剰接待」 財投機関債発行の幹事証券選定で(東京)

2014-02-15 23:32:47

JBIC
JBIC日本の大手企業が手掛ける海外事業を中心に融資を行う国際協力銀行(JBIC)が二〇〇五年秋に実施した資金調達をめぐって、手続きを行う証券会社を決定できる立場にあった担当幹部二人が証券会社から、「過剰な接待」を受けていたことがわかった。幹部らは都内の高級料理店などで複数回にわたって接待を受けたほか、中国出張にも証券会社の担当者を同行させていた。


 投資家から資金を調達するためJBICは、〇五年十月には一千億円の国際協力債券(財投機関債)を、同年十一月には十億ドルのグローバル・ドル建て債券を発行した。発行額が巨額なため、発行の手続きを行う幹事証券会社は多額の手数料収入を得られる。

 

関係者によると、この幹事証券(外資系を含む)を決定できる立場にあったJBIC財務部門の幹部二人は決定前に証券会社から再三にわたって接待を受けていた。

 




 十月の発行分をめぐっては、東京・銀座や六本木の高級クラブなどの料金を支払わせていた。十一月の発行に絡んでは、証券会社の担当者に、中国出張へ同行させたうえに会食のほか、ナイトクラブの費用まで負担させたとされる。その額は中国への旅費分だけで百五十万円に上った。

 

接待した証券会社はその後、いずれも幹事証券に決定したという。接待を受けた幹部の一人は現在、地域統括の幹部として海外事務所に勤務。もう一人は退任している。当時、JBICを中心に政府系金融機関の再編改革の最中で、この過剰接待については内部からも問題視されたが、「道義的問題」として特に処分はなかった。

 




 東京新聞の取材にJBICは「接待があった事実は確認できない」(報道担当)と回答した。

 




 <国際協力銀行(JBIC)>

日本政府が全額出資している特殊法人。日本企業の輸出や海外での資源開発といった大型プロジェクトを対象に融資や出資で支援する。日本輸出入銀行が実質的な前身。政府系金融機関改革で日本政策金融公庫の傘下に置かれたが2012年に再び独立。日本企業が発電設備や鉄道など大規模インフラを輸出する場合、民間金融機関とともに低い金利で融資するケースが多い。総裁には財務省(旧大蔵省)の事務次官や財務官経験者らが就任している。

 

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2014021502000230.html