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銀行の「電気・ガス・熱供給・水道業」向け貸出金総額 震災前からほぼ倍増 東京商工リサーチ調べ(FGW)

2014-03-12 12:26:20

toushoureserach20140310
東京商工リサーチの調べによると、東日本大震災の前と後で、電力などエネルギー事業向けの銀行貸し出しがほぼ倍増していることがわかった。固定価格買取制度(FIT)の導入で、新電力事業者の資金需要が増大しているほか、東京電力の福島原発事故以降、既存電力会社の資金調達が社債発行から銀行借入にシフトしたことも融資増大を支えたとみられる。

 

調査は、国内の銀行112行の2013年9月期連結決算ベースの電力会社などを含む「電気・ガス・熱供給・水道業」向け貸出残高を調べた。その結果、13年9月期の貸出残高は6兆5670億円で、東日本大震災前(2010年9月期)に比べ、96.9%増と、ほぼ倍増している。前年同期比では11.6%増だった。対象112行のうち、前年同期より5行が残高が減少したが、78行(構成比69.6%)は前年同期の貸出金残高を上回った。

 

増加要因には、電力会社の火力発電の比率が高まり、液化天然ガスや石油などの燃料費が膨らんだことも影響しているが、銀行の一般融資の伸びが低い中で、エネルギー事業向け融資の活況さは、同市場が新たな成長市場化しつつあることを物語る。

 

銀行別の貸出金残高のトップは、みずほ銀行(単体)で1兆9,653億円だった。次いで、三菱東京UFJ銀行(単体)1兆1,908億1,300万円、三菱UFJ信託銀行4,206億1,100万円、みずほ信託銀行2,450億4,800万円の順。貸出金残高1,000億円以上は8行(前年同期7行)となった。

 

新規増加額でもトップは、みずほ銀行(単体)で2,112億円増。次いで、三菱東京UFJ銀行(単体)2,047億1,900万円増、みずほ信託銀行495億7,000万円増、新生銀行291億1,600万円増と続く。増加額100億円以上は9行(前年同期18行)だった。

 

前年同期より貸出金残高が減少したのは、静岡銀行の71億9,600万円減、青森銀行の47億7,800万円減、第四銀行の43億7,300万円減、名古屋銀行の40億8,100万円減など30行(前年同期23行)だった。このほか、前年同期同額が1行、未計上が3行だった。

 

銀行112行(2013年9月期連結決算ベース)「電気・ガス・熱供給・水道業」向け貸出金残高推移

http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20140310_02.html