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国際協力銀行、みずほ銀行が協調で JX日鉱日石開発米子会社の石炭火力からのCO2回収・原油増進事業にプロジェクト・ファイナンスで2億5000万㌦融資(FGW)

2014-07-16 17:37:47

Carbon dioxide will be captured and piped to an oilfield

国際協力銀行(JBIC)とみずほ銀行は、JX日鉱日石開発が米NRG Energy Inc.と設置した合弁子会社(50%ずつ出資)がPetra Nova Parish Holdings LLC(PNPH)が手がける石炭火力発電からのCO2回収と、そのCO2を使って石油を増産する事業に対して、総額2億5000万ドルをプロジェクトファイナンス形式で融資することを決めた。


 

融資金額の配分は、JBICが1億7500万㌦分を融資、残りをみずほが担当する。みずほ融資分については日本貿易保険(NEXI)の輸出保険が付保される。今回の案件は、JBICが日本企業の海外展開を支援するために打ち出した「海外展開支援融資ファシリティ」に基づくものと位置づけられる。
本事業は、まず、NRGの子会社がテキサス州で保有するW.A.パリッシュ石炭火力発電所にCO2回収プラントを建設する。プラントは三菱重工が米大手建設会社TICと共同で建設する。次いで、同発電所の排ガスから抽出・回収したCO2を同州メキシコ湾岸のWest Ranch油田に圧入して、原油の増進回収を図る。CO2の回収と原油の回収を一体的に行うことから、CO2-EOR (Enhanced Oil Recovery:原油増進回収)と呼ばれる。

 

JX開発は、West Ranch油田の権益を25%保有しており、保有権益に見合った生産原油の処分権を取得する。CO2を注入することで、同原油の生産量は現行の日量約500バレルから同12,000バレル(期間平均生産量)まで高まる計画という。また石炭火力から排出されるCO2量は年間約160万トン削減される。商業ベースの大規模なCO2-EORプロジェクトの実施は、世界でも初めてとなる。

 

NRGはWest Ranchにおいて、世界最大のCCS(NO2回収隔離)設備の建設を開始しており、今回のJXのCO2-EORもそうしたプロジェクトの一環と位置づけられる。

石炭火力発電所から排出されるCO2については、先月にオバマ大統領が既存発電所についても、30%の削減を求めていく方針を打ち出している。今回のCO2-EOR方式の事業化は、そうした米政府の規制強化に対応するとともに、原油増産でf追加収益を確保する狙いがある。

http://www.jbic.go.jp/ja/information/press/press-2014/0715-25118

http://stateimpact.npr.org/texas/2014/07/15/construction-begins-on-largest-carbon-capture-project-in-the-world/