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三菱HCキャピタル、ベトナムの風力発電事業に本格進出。同国の再エネ事業大手の風力子会社の株式35.1%を取得。数十億円の見込み。アジア市場展開も睨む(RIEF)

2021-05-15 00:35:36

Vietnam001キャプチャ

 

  三菱HCキャピタルはベトナムで風力発電事業に参入する。ベトナムの再生可能エネルギー事業大手のチュンナム建設投資会社(Trung Nam Construction Investment Corporation JSC:TNCIC)の風力発電子会社の株式の35.1%を取得した。取得金額は明らかにしていないが、数十億円とみられる。ベトナムは経済成長が著しく電力需要が増大しているうえに、温暖化対策で再エネ事業の拡大が見込めることから、TNCICをパートナーとしてベトナムで本格的な風力発電事業を展開する計画だ。

 

 (写真は、14日に現地で開いた戦略的提携の発表会見の模様。左端の女性の着物姿がちょっと・・・)

 

 三菱HCキャピタルは今年4月、三菱UFJリースと日立キャピタルが統合して誕生した。今回の事業は子会社で再エネ事業を手掛ける日立サステナブルエナジー (HSE)が、TNCICの子会社で風力発電事業を手掛けるTrung Nam Wind Power JSC(TNWP)の株式を取得する形とした。 HSEによる株式取得により、 TNWPは三菱HCキャピタルの持分法適用会社となる。

 

 現在、ベトナムは、年6%を超える急激な経済的・社会的な成長が続き、国内の電力需要は年率9~10%の勢いで増加している。一方で、パリ協定の目標に沿った温暖化対策を推進するため、ベトナム政府は、従来の化石燃料火力発電等を抑制させ、再エネ事業の導入を積極的に推進している。

 

Vietnamキャプチャ

 

 ベトナムは、ASEAN諸国の中でも風況のよい国のひとつとされる。現行計画では2030年までに6000MWの風力発電を導入することになっている。さらに政府が近く策定予定の第8次国家電力開発基本計画(PDP8)では、再エネ導入計画の拡大が期待されている。

 

 TNWPは、ベトナムの中南部ニントゥアン省を拠点とし、水力、風力、太陽光発電の各再エネ事業で合計1000MW以上の発電容量を保有している。再エネ事業者としては国内最大。同社は2027年までに10倍の10000MWに設備容量を増大させる計画だ。今回新たに展開する風力発電事業の設備容量は151.95MW、年間発電量約4億3200万kWh。年間約19万2000㌧のCO2削減に貢献する。3期に分けて、合計45基の風力発電機を展開する。

 

 発電した電力はベトナムのFIT制度を活用して、国営電力公社(EVN)に売電する。すでに20年間の売電契約を締結している。HSEは、今回のTNWPの株式取得を機に、ベトナムのホーチミン市に駐在員事務所を開設し、新たな風力発電事業の共同開発等の再エネ事業の拡大等を目指して、TNCI との戦略的なパートナーシップを強化していくとしている。

 

 HSEは、日本国内で自社の風力発電子会社を通じて、31カ所の風力発電事業(総発電 容量 245.8MW)を運営している。一部の発電所では、売電収入の一部を地場農業促進のために、地元に提供するなどの地域の持続的発展や、活性化への貢献にも取り組んでいる。

 

 ベトナム側のTNCIは2004 年の設立。主にエネルギー、社会インフラの建設、不動産開発等で高い専門性を有する技術集団で、Trungnam Group(TNG)の中核的企業。TNGは「持続可能な投資~未来を築く」とのスローガンを掲げ、すべての投資プロジェクトで品質と持続可能性を追求している。

https://www.mitsubishi-hc-capital.com/investors/library/pressrelease/20210514.pdf