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原発の老朽化判断に3指標 市民団体が考案(福島民報)

2012-06-18 08:00:37

 



 運転年数30年以上、年平均0・5回以上の事故、原子炉圧力容器の劣化の三つを指標にして、原発の老朽化を判断する方法を市民団体「原子力資料情報室」の伴英幸共同代表らが17日までに考案した。

 国内の商業用原発50基のうち1項目でも該当するのは23基、3項目とも該当するのは関西電力美浜1、2号機、高浜1号機、大飯2号機(いずれも福井県)の4基。伴さんは「指標に当てはまるとすぐに危険というわけではないが、より危ない原発を選別する方法になるのではないか」という。

 伴さんらは、初期の原発は設計の寿命の目安が30年だったとして、運転年数の基準は30年以上とした。丸42年を超える日本原子力発電敦賀1号機(福井県)をはじめ17基ある。

 事故率は、国への報告対象となる事故が年平均0・5回以上を基準にした。11年3月末時点で17基が該当。最も多いのは敦賀1号機の年1・4回。1981年に放射性廃液が海に漏れる事故があった。

 圧力容器に燃料の核分裂で発生した中性子が当たると、もろくなることが知られている。劣化の程度の指標となるのは圧力容器に入れた試験片が壊れやすくなる「脆性遷移温度」。高いほど劣化が進んでいるとされる。伴さんらは70度以上を基準とし、98度の九州電力玄海1号機(佐賀県)など5基が当てはまった。

 

http://www.minpo.jp/globalnews/detail/2012061701001599