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財物賠償 個別対応を検討 相談体制構築が課題 東電の広瀬新社長(福島民報)

2012-06-28 14:21:00

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インタビューに答える東電の広瀬直己新社長=東京都千代田区の東電本店


東京電力の広瀬直己新社長(59)は27日までに、福島民報社のインタビューに応じた。福島第一原発事故による避難区域内の不動産、家財などの財物賠償について、賠償基準を早急に示すとした上で、基準だけにとらわれず個別の資産状況に応じて柔軟に支払いを検討する考えを明らかにした。ただ、対象は最大で約6万4,000世帯に上るとみられ、きめ細かな相談体制の構築が課題となる。
 

 常務として福島第一原発事故の賠償問題を担当してきた広瀬氏は、土地・家屋の不動産と家電製品や家具など家財の賠償基準について、「(自宅に)帰還するのか、新たな場所に行くのか、その判断材料になる。なるべく早く示したい」と強調した。
 その上で、家屋の敷地や延べ床面積はまちまちで、高価な骨董(こっとう)品の有無なども含め世帯ごとに所有する家財の価値は異なると指摘。賠償基準に納得が得られないケースでは、「個別の事情を聞いていくのが一番良い。100人いれば100通りの基準がある」と語った。
 ただ、「個別交渉にどの程度応じることができるかどうかが課題になる」との認識を示し、これまでに本県の賠償に対応する職員を1,200人態勢に増員したことを明らかにした。
 一方、本来は今年3月中を予定していた財物の賠償基準の公表が大幅に遅れている理由について、「避難区域再編により地域が分断される自治体がある一方、『仮の町』整備を検討するケースもある。町村ごとに事情が異なるため、協議を続けている」と説明した。

http://www.minpo.jp/news/detail/201206282175