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放射線量、ひと目で把握 堀場や三菱重工が画像装置  2~3年内実用化へ、除染作業の効率高く (各紙)

2012-07-03 07:31:49

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各紙の報道によると、見えない放射性物質による汚染の分布状況をひと目で確認できる専用装置の開発が、企業や大学などで加速してきた。宇宙の観測や無人ヘリなど、活用する技術はまちまちだが、いずれも2~3年内の実用化を目指す。福島県内での除染作業を効率よく進めることができるようになるほか、消費者に農地の安全性を分かりやすく伝えるのにも役立ちそうだ。堀場製作所は京都大学、キヤノンと共同で、放射性物質から出る放射線量の強さをカメラで撮影して、画面に表示できる装置の開発にメドをつけた。星がその一生を終えて、爆発する際に発生する放射線を検出できる京大の独自技術を転用する。 


 1時間当たり0.05マイクロ(マイクロは100万分の1)シーベルトという自然界に存在するレベルの低い放射線量まで計測できることを確認した。




 今後、画面に色の違いで強度を表示する画像化の開発をキヤノンと共同で進める。秋までに試作機を作り、福島県で実証試験をした後、2014年中の市場投入を目指す。1台1000万円程度になる見通し。




 三菱重工業も宇宙航空研究開発機構(JAXA)、名古屋大学と共同で、放射線量を可視化できるカメラの実用化に取り組む。人工衛星用カメラを改良し、試作機は完成済み。除染現場で使える見通しも立った。今後、10キログラム以下の持ち運び可能な重さに改良する。福島県内などで数年内にも導入する。




 古河機械金属は東京大学、日本原子力研究開発機構などと、上空から汚染状況を観察できるシステムを2年後をメドに共同開発する。農薬散布に使う無人ヘリに放射線量を計測するカメラを搭載する。高度10~20メートルをヘリが飛行して、400平方メートルの領域を1分以内で計測できるようにする。土壌や樹木など地表面の線量を素早く測れるほか、人が立ち入りにくい山間部の計測にも有効という。




 放射線や放射性物質は目で見ることができないため、一層、不安をかき立てる。現在は線量計を使って把握しているが、広範囲の計測には人手と時間がかかる。