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福島第1原発事故直後 東電と浪江町 真っ向対立(河北新報) 浪江町にはウソを言ってもメリットは全くないが、東電には・・・

2012-07-09 02:25:33

就任あいさつで訪れた広瀬社長(右から2人目)らと面談する馬場町長(左から2人目)。両者の言い分は平行線をたどっている=3日
就任あいさつで訪れた広瀬社長(右から2人目)らと面談する馬場町長(左から2人目)。両者の言い分は平行線をたどっている=3日


福島第1原発事故直後に「会った」「会わない」で、東京電力と福島県浪江町が真っ向から対立している。「社員が説明のため役場を訪ね、町長らに会った」とする東電と「誰も来ていない。でたらめだ」と怒る町。極めて単純なはずの問題はこじれる一方だ。
 「私がうそつきだと言うのか。とんでもない話だ」

 3日、福島県二本松市の浪江町仮役場で東電の広瀬直己社長らと面会した馬場有町長は報道陣に怒りをぶちまけた。

 発端は、東電の社内事故調査委員会の最終報告。東電と町が結んでいた緊急時連絡協定について、6月20日公表の報告書には「浪江町には(昨年)3月13日から社員が訪問し状況説明を実施した」と記されている。町側は「そんな事実はない」と反論。訪問の具体的な状況を問う質問状を東電に提出した。

 東電は3日、「3月13日と14日に第1原発所員が役場の津島支所を訪ね、町長や副町長、住民生活課長に文書を示し状況を説明した」と回答。広瀬社長は「われわれの調査で13日に訪問したことを確認した」と話した。

 馬場町長は「そんな事実は全くないし、あれば3、4時間おきに開いた町の災害対策会議で議題に上がっているはずだ」と反発。当時副町長だった上野晋平氏も「津島支所に外部からの出入りはさほどなかった。見知らぬ人がいればすぐ分かる。そんな人物は全く見ていない」と証言する。

 河北新報社の取材では「それらしき人物が支所の片隅で、青白い顔をして黙って座っているのを見た職員がいる」との情報もある。

 町の言い分が正しければ東電がうそをついていることになり、東電の言い分通りだと町が失念している可能性が高い。謎は深まるばかりだが、東電は数日内に再回答書を町に提出する。

 

http://www.kahoku.co.jp/news/2012/07/20120708t61013.htm