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福島の住民 甲状腺被ばく量半減 弘前大調査(河北新報)

2012-07-13 18:17:07

弘前大被ばく医療総合研究所の床次真司教授のグループは12日、福島県の住民を対象に福島第1原発事故で放出された放射性ヨウ素による甲状腺被ばく調査の再解析を行った結果、被ばく線量は最大33ミリシーベルトだったと発表した。ことし3月の調査発表では最大87ミリシーベルトだったが、気象条件などを考慮した結果、数値がほぼ半減したという。
 調査は昨年4月11~16日、福島県沿岸部から福島市に避難した人と、浪江町津島地区にとどまった人計62人を対象に行い、46人から放射性ヨウ素を検出した。
 前回調査では、ヨウ素を体内に取り込んだ日を昨年3月12日と想定していたのを、今回は気象条件も考慮。昨年3月15日午後1時に放射性ヨウ素を含む空気の塊が到来し、同午後5時から雨が降ったという津島地区に近い福島県飯舘村のモニタリングデータを加味し、計算し直した。
 その結果、前回は国際原子力機関が甲状腺がんを防ぐために安定ヨウ素剤を飲む目安とする50ミリシーベルトを上回った人が5人いたが、今回はゼロだった。
 床次教授は「調査の精度を高めた結果、影響が小さいことが分かったが、50ミリシーベルトを超える人がいた可能性は否定できない。継続的な調査と健康支援は必要だ」と話した。

http://www.kahoku.co.jp/news/2012/07/20120713t65012.htm