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岡山の新見ソーラーカンパニー。廃棄太陽光パネルの再生に成功と発表。現行の廃棄パネルの埋め立て処分から、「水平リサイクル」を実現。2028年にも実用・量産化を目指す(各紙)

2023-08-09 14:06:00

niimi002キャプチャ

 

  各紙の報道によると、太陽光発電システムの開発・販売を手がける新見ソーラーカンパニー(岡山県新見市)は8日、廃棄された太陽光パネルを再資源化して、新しい太陽光パネルを製造し発電できることを確認したと発表した。関係者らは、太陽光パネルの水平リサイクルの実現は世界初、と強調している。パネル再生は新美ソーラーが開発した分解処理装置を活用する。同社では2027~28年ごろに再生パネルの実用・量産化を実現したいとしている。

 

 (写真は、廃棄パネルから再生した太陽光パネル=「テレビせとうち」から)

 

 「テレビせとうち」等が報道した。同社と廃棄太陽光パネルのリサイクルに取り組む一般財団法人「PVリボーン協会」(同県西粟倉村)、奈良県のパネルメーカー、タミヤ製作所の3者が共同の実証実験で実現したとしている。

 

 それによると、廃棄されたパネルを、新見ソーラーが開発した廃棄パネル処理装置によって、600℃以上の過熱水蒸気を利用してガラス片、銅線、電池セル(シリコン、銀、アルミなど)等の元の素材に分解する。それらの再生素材を原材料として、オーダーメード太陽光パネル製造の専門業者のタミヤ製作所が、新たなパネルとして再生する流れだ。

 

開発した再生設備と、新美ソーラーの佐久本社長
開発した再生設備と、新美ソーラー社長の佐久秀行氏

 

 今回、パネルの製造過程で出る不良品の廃棄パネルから作成した新しいパネルによる発電に成功したとしている。今後、再生パネルの発電効率等を検証し、実用化を目指す。新見ソーラー社長の佐久本秀行氏は「再生パネルの実現性を実証できた。これにより、再生、発電を繰り返してパネルを永久に使うことで、電力の自給に寄与していきたい」とコメントしている。

 

 わが国での太陽光発電は、2012年開始の固定価格買い取り制度(FIT)によって急速に普及した。今後も2050年のネットゼロに向け、風力発電とともに、再エネ発電の軸として期待されている。ただ、パネルの製品寿命は25〜30年で、複数の金属等で構成されているため、廃棄後の解体処理が困難で、多くが埋め立てされている。


 環境省の予想では、今後予想されるパネル廃棄量は、2030年半ばには年間20万㌧分が排出されるという。このため、廃棄量は2015年の2351㌧から2040年には300倍以上の約80万㌧に増大する。廃棄パネルの処理問題は、日本だけではなく、世界的にも大きな課題となっている。

 

https://niimi-solar.com/recycle.html

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC081YX0Y3A800C2000000/?type=my#AAAUAgAAMA

https://www.webtsc.com/prog/news/news/18708/