産学共同による電気自動車(EV)への「走行中給電実証実験」、千葉・柏市で始まる。信号待ちのEVに、道路に設置した送電コイルから充電。10秒で1km走行可能(RIEF)
2023-10-04 15:07:57
産学協同の研究グループによる電気自動車(EV)へ「公道における走行中給電実証実験」が千葉・柏市で始まった。道路の交差点の信号付近に、送電コイルを設置、EVが信号で減速や停止する際にEVで自動的に受電し、充電できるようにする仕組みだ。現状では10秒の充電で一般的なEVが1km走行できるという。同設備が有効化すると、EVのバッテリーの小型化につながるほか、普及の課題であるチャージングステーションの整備等を最小化でき、EV普及を後押しすることが可能になると期待される。
実験では送電コイルの待機電力の省力化を目指している。送電コイルに常に通電をしていると、車両がコイル上に来ていない場合は、無駄なエネルギーを使うことになるためだ。そこで、コイルを稼働させるための待機電力を極力小さくしながら、道路上で停止したEVの車両検知を短時間で行うための、新たな車両検知システムの開発を目指している。
もう一つは、「高耐久性プレキャストコイル」の検証だ。公道上で、安全にEVへの送電を実現するためには、道路の路面として十分な耐久性を持ちながら、送電が可能な送電コイルを開発する必要がある。そのため、同研究グループでは、送電コイルと路面を一体化したプレキャストコイルを開発し、今回の実証実験でその耐久性を検証するとしている。
開発中のシステムでは、電力を適切にコントロールすることができることから、EVだけでなくプラグインハイブリッド車(PHV)にも使用できるという。