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住友商事、米で新型油田「シェールオイル」に参画 1600億円出資(各紙)

2012-08-02 11:20:00

米エネルギー情報局(EIA)による主なシェールガス層の分布図。
 

米エネルギー情報局(EIA)による主なシェールガス層の分布図。


各紙の報道によると、住友商事は米国で新型油田「シェールオイル」の開発に参画することで現地企業と合意した。30%の権益取得額を含む住商の投資額は今後3年間で約20億ドル(約1600億円)となる見込み。2020年代には住商の持ち分で現在の日本の原油輸入量の約3%にあたる日量10万バレルを生産する。将来は日本への供給拡大につなげる考えで、調達先の多様化と安定確保につながりそうだ。

住商が参画するのは米石油開発大手のデボン・エナジー(オクラホマ州)が権益を保有するテキサス州の西部パーミアン・ベースン地区にある鉱区。日本企業が参画するシェールオイル開発として最大規模で、鉱区面積は約2600平方キロメートルで住商は790平方キロメートルの権益を約13億6500万ドル(約1100億円)で取得する。すでに生産を始めており20年代にはフル生産に入る。生産期間は今後30年超を見込む。

シェールオイルは岩盤層にたまった原油。北米では数年前に生産が本格化した。今後開発が進む海底油田などに比べ生産コストは5割前後ですみ、新たな原油の調達先として米国での開発が活発化している。

米国では自由貿易協定(FTA)を締結していない国への原油、液化天然ガス(LNG)輸出は米エネルギー省の許可が必要。日本へは1973年を最後に輸出していない。当面は米国内向けの原油を生産するが、スワップ取引などを通じ日本に間接供給することを検討する。

シェールオイルの開発は丸紅が米テキサス州でフル生産時に日量1万数千バレルの鉱区に35%出資したほか、三井物産もテキサス州の鉱区に出資した。北米では新型天然ガスのシェールガスの増産でガス価格が急落しているが、原油価格は安定しており、将来的にも採算性が維持できると判断した。