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三井物産、次世代送電網の制御システム参入 (各紙)

2012-08-07 11:50:17

各紙の報道によると、三井物産はスマートグリッド(次世代送電網)の頭脳となる制御システム事業に参入する。最先端の制御ソフトを開発した米IT(情報技術)企業に資本参加し、地域の電力需給に合わせて企業などに最も効率のいい電力利用を促すシステム構築を提案する。まず、電力需要の増大で設備投資を増やすアジアの電力会社への販売を目指す。


 スマートグリッドの制御ソフトを開発する米ヴィリディティエナジー(ペンシルベニア州)に約15%出資する。出資額は1500万ドル(約11億7000万円)。同社は世界最大の米電力卸取引所「PJM」の幹部らが2008年に創業。企業の節電分を電力会社が買い取る仕組みなど電力業界に精通した強みを制御ソフト開発に生かした。




 同社のソフトでは刻々と変わる電力需要、天候、電力卸売価格などの膨大な予測データを分析。その結果をもとに大口需要家が持つ太陽光パネルなどの発電システムや蓄電池の利用率、電力卸売市場などへの売電の最適な組み合わせを瞬時に割り出す。同時に空調設備など各種機器を遠隔操作して電力消費も減らす。




 米グーグルや米IBMなどもスマートグリッドの制御システムの事業化を進めているが、企業などに電力利用の組み合わせを数分単位で提案できるのがヴィリディティの強みだ。太陽光や風力など出力が変動しがちな発電手法に対しても電圧や周波数を安定させる効果がある。