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米原発の使用済み核燃料「できる限り空冷式に」(各紙) 東電福島事故からの「教訓」を政策化。日本の電力会社はどうする?

2012-08-15 22:34:56

Alisonmacfarlane
各紙の報道によると、米原子力規制委員会(NRC)の委員長に就任したアリソン・マクファーレン委員長は14日、記者会見し、米国内に104基ある原子力発電所の中で一時的にプールに貯蔵している使用済み核燃料について、今後、できる限り「ドライキャスク(空冷式の金属容器)」での保管に切り替える、との姿勢を明らかにした。同委員長の保管方式変更は、東電福島原発の使用済核燃料プールが、リスクを抱えたままであることへの懸念が米国内でもあることへの配慮措置とみられる。

同委員長は、米国内でもネックになっている使用済核燃料の最終処分場問題にも触れて、「最終処分場の適地を見つけることは可能」と語った。ただ、具体的な候補地については言及しなかった。使用済み核燃料の最終処分場は、オバマ政権がネバダ州ヤッカマウンテンへの建設計画を打ち切り、宙に浮いたままになっている。

 東電事故では、使用済み核燃料プールの冷却が止まり、過熱が心配された。現在も4号機などのプールが追加地震のリスクにさらされていると指摘も根強い。委員長は「ドライキャスクは水を使わず、非常時でも運用が容易」と指摘し、事故対策を念頭に置いたうえでの変更であることを示唆した。