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【抗議声明】国民に対する最低限の説明責任も果たそうとしない原子力規制委準備室の対応(FOE)

2012-08-24 13:38:24

細野大臣及び室長による原子力規制委員会準備室の看板かけ
細野大臣及び室長による原子力規制委員会準備室の看板かけ


原子力規制委員会の人事案について、複数の市民団体が、8月3日と20日の二度にわたり、人事案の撤回を求める3万5,000筆以上の署名の提出と政府との話し合いの場を設けるよう、原子力安全規制組織等改革準備室(以下、準備室)に要請してきました。

ところが準備室は、一度目は「都合がつかない」という理由で当日ドタキャン、二度目は、「いくら日程を変えても、市民の要請にいちいち応じることはできない」という考えられない理由で断りました。

これまで原子力安全・保安院すら、市民団体主催の政府交渉に参加しました。準備室の態度は、保安院にすら劣るものです。

この対応に対して20日、抗議文を発出しました。ぜひ広めてください。そして、準備室に抗議してください。
内閣官房 原子力安全規制組織等改革準備室  Tel 03-3581-1083、 Fax 03-3581-1361



2012年8月20日


内閣総理大臣 野田 佳彦殿
原発担当大臣 細野 豪志殿
原子力安全規制組織等改革準備室室長 森本 英香殿


抗 議 文

国民に対する最低限の説明責任も果たそうとしない準備室の対応
~改革対象の保安院の方がずっとまし~


私たちは、原子力規制委員会の人事案につき、今の人事案の撤回を求める3万5,000筆以上の署名の提出とそれに合わせて、原子力安全規制組織等改革準備室との話し合いの場を設けるよう、衆議院・服部良一議員事務所を通じて要請してきました。

8月3日と本日8月20日の二度にわたり、設定の要請をしましたが、準備室は、一度目は「都合がつかない」という理由で当日ドタキャン、二度目は、「いくら日程を変えても、市民の要請にいちいち応じることはできない」という考えられない理由で断ってきました。

話し合いの場では、今の人事案が、原子力規制委員会設置法や政府ルールにある欠格条項に引っかかる違法人事であり、日弁連など弁護士グループもその点を指摘している問題や、現在の人事案の人選が原子力推進行政に責任がある者が多く含まれている点について、きちんと説明を受けたいと考えていました。

特に委員長候補の田中俊一氏については、事故以前には、秘密会議に出席してきたことに象徴されるように原子力推進行政に加担し、事故後についても自主的避難の賠償に強行に反対するなど、その言動や行動、振る舞いに問題があります。福島県民や福島からの避難者などからも批判、嫌悪、怒りが出ており、そのことを、福島の方から直接訴えていただき、準備室の方にもしっかりと聞いていただき、回答を得たいと思っていました。

準備室は、今の人事案の同意を得るべく、議員に対してはチームを組んでロビーにまわったと聞きます。その一方で、市民の要請には一切対応しないというのはどういうことでしょうか。

あなた方が一番説明すべき相手は、一般市民・国民ではないでしょうか。

準備室の使命は、原子力安全行政の改革のはずです。このような理不尽な対応は、今まで原子力安全行政を担ってきた原子力安全・保安院や原子力安全委員会にもありませんでした。数多くの市民主催の政府交渉に、原子力安全・保安院は応じてきました

準備室のこの態度は、情報公開をうたった原子力規制委員会設置法の参議院決議文(付帯決議)の八や、原子力規制委員会の情報公開の考え方(準備室、7月13日)にも反しています(注)。

私たちは、今回の準備室の対応に強く抗議します。また、下記を要請します。

1.今回、市民との会合を断ったのは誰のどのような判断によるものなのかを明らかにしてください
2.今からでも、人事案の同意作業を一旦止めた上で、市民・国民に対する十分な説明の場を設けてください。

以 上

福島老朽原発を考える会/国際環境NGO FoE Japan/原発を考える品川の女たち/
eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)

注)原子力規制委員会設置法の参議院決議文(付帯決議)の八では、情報公開について、「情報の最大限の公開性を確保する」「一般の行政機関以上に特に配慮する」となっています。

また、原子力規制委員会の情報公開の考え方(準備室、7月13日)では原子力規制委員会が国内外から信頼される組織になるための三つの基本原則の中に「透明性」を明記しています。


原子力規制委員会の第一歩となる委員選任の過程について、透明な情報公開と説明責任を果たすのは、原子力規制委員会設置法の国会審議を踏まえれば当然のことだと考えます。


準備室が、市民団体への説明や話し合いに応じない現状は、準備室が原子力ムラの規制委員の国会同意採決を強行しようとするために、情報公開と説明責任を放棄しているのではないでしょうか。


国民の信頼を得るという一番大切な目的に立ち返って、市民団体が求める話し合いに応じることを要請します。


 


http://www.foejapan.org/energy/news/120820.html