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原子力安全条約会合への日本の報告要旨 (共同)

2012-08-27 22:58:19

原子力安全条約会合への報告要旨 


 原子力安全条約特別会合に日本政府が提出した報告の要旨は次の通り。

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【安全規制の在り方】

 2007年に受け入れたIAEAの規制評価で日本の原子力規制機関に(独立性を法で定めるなど)勧告がなされたが、このようなIAEAの勧告・助言に、日本は十分に対応してこなかった。規制組織が分散されていたことが責任を不明確にし、事故に際して力を結集して俊敏に対応する上で問題があった。与党・野党の協議の上、より独立性の高い原子力規制委員会を設置すべく法案を国会に提出し、6月20日、法案が成立した。

 【過酷事故対策】

 東京電力福島第1原発では、津波を原因として冷却機能など安全機能が失われた。そうした事態を想定せず、防止するための規制要求が行われず、事業者の自主的取り組みも十分でなかったことが大きな問題だった。

 【原子力防災】

 国際的な動向を迅速に取り入れる姿勢が欠けていた。十分に反省し、安全神話に陥らず、国際的な原子力規制の動向にも注意を払っていく。

 【情報の提供】

 昨年4月の高レベル汚染水の海洋への流出や低濃度滞留水の放出で、近隣国に事前に十分な情報提供を行い得なかった。国際社会に最大限の透明性をもって迅速かつ正確な情報提供を行うことがわが国の責務だ。

 【地震の影響】

 地震により基本的な安全機能を損なう損傷が生じたとは考えられない。巨大な津波により、冷却用の海水ポンプ類の全てと非常用ディーゼル発電機、配電盤、蓄電池はほとんどが水没し機能を失い、致命的だった。

 【廃炉と全容解明】

 原子炉内の状態を正確に把握し、破損した燃料を取り出し、廃止措置(廃炉)を進めていくことは国際的にも未経験の作業となり、数十年単位の時間を要す。国内外の知見を広く生かしていく。事故の全容解明には長い時間が必要だが、新たに得られた知見は国際社会と共有し、世界の原子力安全の向上に貢献する。

 

http://www.kyodonews.jp/feature/news05/2012/08/post-6562.html