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原発の相互評価を強化 安全条約、福島の事故受け(各紙)

2012-08-31 14:32:11

cancerJapantoday
各紙の報道によると、日米欧など原子力安全条約の75の締約国・機関は30日、福島第1原発の事故を受け、原発の安全性に対する相互評価制度を強化することで合意した。相互評価の際の基準の統一や原子力規制機関の透明性の向上などが柱となる。一方、一部の国が主張していた条約の抜本改正は支持を得られず、見送りとなることが固まった。


 75の締約国・機関は27日から国際原子力機関(IAEA)本部で特別会合を開催している。相互評価制度の強化などの運用改善策は会合最終日の31日にまとめる総括報告に盛り込む。




 原子力安全条約の締約国・機関は3年に1回開かれる点検会合に自国の原発に関する安全報告書を提出し、他国・機関から評価を受ける。その基準はこれまでバラバラだったが、福島原発の事故を受けて見直しが進むIAEAの安全基準に統一する。安全報告書の提出を怠った場合はその事実を公表する。




 各国・機関は規制機関の業務の透明性を重視することでも一致し、評価項目として追加することが決まった。




 このほか、各国の規制当局や電力事業者が原発の安全に関する情報を相互に交換するネットワークづくりなどが総括報告に盛り込まれる見通し。




 ロシアとスイスの2カ国は当初、相互評価制度など運用面の改善ではなく、条約の抜本改正を求めていた。しかし、改正手続きには長い時間を要するため、現段階での改正には慎重論が大勢を占めた。




 特別会合で各国は(1)地震や津波などへの対応(2)原発の設計(3)過酷事故管理(4)国内組織(5)発電所外の緊急時対応(6)国際協力――の6項目の対応を説明。各国とも福島第1原発の事故の教訓を生かして適切な対応に動いているとの結論に達した。




 日本はかつてIAEAから規制機関の独立性を高めるよう勧告を受けており、特別会合に提出した報告書で「勧告・助言に十分に対応してこなかった」と反省を表明した。




 日本も次期点検会合で規制機関の業務の透明性に関して評価を受けることになる。