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原発事故避難・8市町村住民意向調査、大熊町「帰らぬ」4割(河北新報)

2012-09-02 09:05:26

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福島第1原発事故で避難区域に指定され、住民に帰還の意思を尋ねるアンケートを行った福島県の8市町村のうち、大熊町だけが、「地元に帰らない」と考える住民の割合が「帰る」派を上回ったことが分かった。結果について渡辺利綱町長は「放射線量が高く、帰還を現実的に受け止められない住民が多いのだろう」とみている。

 8市町村のアンケート結果は表の通り。大熊町は「帰らない」と回答した住民が4割に達し、「帰る」と答えた人をわずかだが超えた。
 アンケートの実施時期や設問が異なっているため一概には比べられないが、ほかの7市町村は「帰らない」派がいずれも30%台以下で「帰る」派を下回った。

 大熊町民が「帰らない」を選んだ理由(複数回答)は、「放射線が心配」(70.3%)「町が復興できると思わない」(69.4%)「原子力災害で家屋が住める状況でない」(61.3%)が多数を占めた。

 大熊町は原発が立地し、全域が立ち入り禁止の警戒区域に指定されている。避難区域再編でも人口分布の95%に当たる地域が5年以上帰れない帰還困難区域(年間被ばく線量50ミリシーベルト超)になる可能性が高く、渡辺町長は「5年間帰らない宣言」を出すことを決めている。

 8月には政府から、除染廃棄物を長期保管する中間貯蔵施設の候補地として町内の9カ所を指定して立地調査する提案を受けるなど、町民の帰還が遠のく状況が続く。

 渡辺町長は「線量が高く、町民が将来を不安視しているのが一番の原因だろう。(中間貯蔵施設の調査など)今後の動きで『帰らない』派が増える可能性がある」と話している。

 

http://www.kahoku.co.jp/news/2012/09/20120902t61016.htm