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魚は えらから放射性セシウム排出 東大チームが確認(各紙)

2012-09-08 23:44:24

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各紙の報道によると、東大農学生命科学研究科の金子豊二教授(魚類生理学)らの研究チームは、海水に生息する魚が海水から取り込んだ放射性セシウムを、えらから体外に排出していることを、突き止めた。海水魚が体内に取り込んだセシウムを、どうやって排出しているのかは、これまで不明だった。今回の解明で魚類の放射能汚染除去のプロセスが解明されれば、魚に対する過度な汚染懸念を払しょくできる可能性もあるとの期待が出ている。

 金子教授らのチームによると、海水魚は体内の塩分濃度を保つ目的で常時、海水を体内に取り込む。この際、余分な塩分については、えらの「塩類細胞」という細胞から排出しており、同時に体内のカリウムも排出する。カリウムとセシウムは性質が似ていることから、チームはセシウムも同じ経路で体外に排出されるのではないかとの想定で実験を続けたところ、想定通りの結果を得たという。金子教授は「海水魚は積極的にセシウムを排出する代謝回転のメカニズムを保有している。このメカニズムの機能を促進できれば、魚からセシウムを取り除く効率性を高めることが可能になる」と展望している。