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福島第2原発 4号機、燃料取り出し 14年までに終了へ(河北新報) 「14年まで」ではなく、あと2年もかかるということ。その間に大地震がないことを祈るが・・

2012-10-03 10:28:21

4号機の“水素”爆発
4号機の“水素”爆発


東京電力は2日、福島第2原発(福島県富岡、楢葉町)4号機原子炉から燃料を取り出す作業を報道機関に公開した。4号機のほか、1、2号機が東日本大震災の津波で原子炉冷却機能を失い、現在も全基が停止している。東電は2014年までに1~4号機の全4基で燃料取り出しを終える方針。
 取り出し作業は1日に始まった。原子炉上部と燃料貯蔵プールの間を平行移動する機器で、圧力容器と格納容器のふたが外された原子炉内から燃料をつり上げ、水中を通してプールのラックに下ろした。炉内には764の燃料集合体があり、10月下旬までに全てを取り出してプールに収納する。



 4号機は5月、第2原発で最も早く主要設備の修復を終えた。原子炉からの燃料移動はプール貯蔵に一元化し、管理を簡素化するのが目的だ。
 設備修復の進捗(しんちょく)率は9月末現在で3号機92%、2号機53%、1号機50%。3号機は10月、1、2号機は本年度内に完了する見通し。
 増田尚宏所長は「(避難中の)地元の人が帰還できるようプラントの冷温停止を維持することが使命だ」と話した。

 

◎第1原発と別世界/粛々、完全制御…

 科学の粋とがれきの巨塊。燃料取り出し作業の始まった福島第2原発は復旧が進み、今も水素爆発で建屋が吹き飛んだ姿をさらす福島第1原発(福島県双葉、大熊町)と好対照を見せた。

 取り出し作業は厚さ1.7メートルの鉄筋コンクリート壁に囲まれた第2原発4号機原子炉建屋の整然としたフロアで、コンピューターに完全制御されて粛々と進む。その光景は皮肉にも、第1原発事故のすさまじさと現状の深刻さをあらためて印象付けた。

 建屋にはスエットスーツと上下続きの作業服で入ることができた。5月の第1原発の取材では、被ばくを防ぐ全面マスクと防護服の着用を求められた。緊張の絶えない第1原発とは別世界の雰囲気に戸惑いを覚えた。

 主要設備の修復から燃料取り出しまでの一連の作業は、「復旧作業」と位置付けられている。

 疑問が湧く。復旧の先に何があるのか。福島県と県議会は第2原発の全基廃炉を求めている。再稼働は夢物語に近い。

 1~3号機でも今後、燃料を取り出し、プールに貯蔵する。その先、青森県六ケ所村の再処理施設への燃料運び出しには国のエネルギー政策の不透明さが漂う。プールでの一元貯蔵にも、宙に浮いた燃料を持て余す東電の苦渋が垣間見える。(若林雅人)

 

http://www.kahoku.co.jp/news/2012/10/20121003t63014.htm