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福島・双葉郡のコメ初出荷へ 農家、独自に除染し栽培 福島・広野(河北新報) 食べるべきか、食べ・・

2012-10-10 10:59:22

放射性物質検査(福島県下)
放射性物質検査をクリアした福島県広野町のコメ。原発事故後、双葉郡産として初出荷される=9日


福島第1原発事故で旧緊急時避難準備区域となった福島県広野町は9日、放射性物質濃度が国の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を下回った今年の町内産のコメについて、出荷を認めることを決めた。町は農家に作付け自粛を求めていたが、複数の農家が独自に農地除染を進め、栽培していた。原発事故で避難区域に指定された双葉郡のコメが出荷されるのは初めて。
 出荷が認められたのは、同町の横田和希さん(31)と新妻良平さん(53)が作ったコシヒカリなど83袋(1袋30キログラム)。ふたば農協広野支店で9日に検査したところ、82袋が検出限界値(22ベクレル)以下だった。
 残る1袋は基準値は下回ったが、80ベクレルを計測したため、県農業総合センター(郡山市)で再検査する。県双葉農業普及所は「汚染物質がもみ擦り機から混入した可能性がある」とみている。
 検出限界値以下の82袋は、横田さんらの独自の販路で、いわき市の米穀店や関東地方の得意先に販売する。
 国の基準によると、広野町では、今年から出荷前の全袋検査を条件にコメの栽培が可能になった。しかし、町は「基準を超えるコメが出たら町農業全体のイメージが悪化する」として、農家に今年の作付けを自粛するよう要請。町内農家約360戸の大半が作付けを見合わせた。
 横田さんらは「耕作放棄になり、田が荒れる」として、セシウムを吸着するとされるゼオライトを水田に散布するなどして、栽培を進めてきた。

 横田さんは「除染の努力が実を結んで、ほっとした」、新妻さんは「これを機に長年かけて築いた顧客の信頼を取り戻したい」と語っていた。

 町は「農家には作付け自粛を要請してきたが、安全性が確認されたコメの出荷は妨げない。町として全袋検査を徹底し、安全性を証明していく」(産業グループ)と話している。
 広野町は昨年9月、緊急時避難準備区域の指定が解かれ、現在は全域が避難区域から外れている。双葉郡内では川内村も条件付きで作付けが認められたが、村は試験作付けの道を選び、出荷していない。郡内の他の6町村も出荷制限が続いているか、試験作付けにとどめている。

http://www.kahoku.co.jp/news/2012/10/20121010t63013.htm