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町民による除染 使命感胸に「ゼネコンと違って、手抜きはない」 福島・大熊町避難区域再編から1カ月 作業員大半が町民(福島民報)

2013-01-12 22:19:50

平成24年4月に実施された福島市の弁天山での市民ボランティアによる除染作業
平成24年4月に実施された福島市の弁天山での市民ボランティアによる除染作業
平成24年4月に実施された福島市の弁天山での市民ボランティアによる除染作業


福島県大熊町が「帰還困難」「居住制限」「避難指示解除準備」の3区域に再編され、10日で1カ月が過ぎた。居住制限区域で本格化した先行除染に取り組む作業員の大半は大熊町民で「自らの手で元の古里を取り戻す」と意気込んでいる。東日本大震災から1年10カ月となった11日、課題を抱えながらも歩みが始まった現地を取材した。(会津若松支社報道部・村井 一隆)
居住制限区域に当たる町南部の大川原字南平では防護服姿の作業員約90人が約20ヘクタールの田んぼで、先行除染の一環の雑草刈りをしていた。まだ半分も終えていないが、その次には、表土剥ぎが待っている。重機が入れない山林もある。工期の三月末まで、時間は少ない。
作業員の多くは地元の建設会社などに勤務していた。自前の重機を提供して作業に加わる果樹農家もいる。県内で不適切除染が問題になっているが、現場を指揮する相双リテックの塚本泰英CEO兼会長(48)は「古里のため使命感を持って作業している人たちばかり。手抜きは起こり得ない」と言い切る。

厳しい現場だが、来週には地元商店が弁当を届けるサービスを始め、飲み物の自販機も設置される。昨年の意向調査で45%の町民が「戻らない」と回答したが、塚本さんは「町に戻るかどうかは別にして、同じ町民が汗を流す現場を一度見てもらいたい」とつぶやいた。

平成25年度は居住制限区域と避難指示解除準備区域の本格除染が行われる。町はこの他、高線量の帰還困難区域で市街地のモデル除染を行うよう、国に働き掛ける考え。町は全区域とも最低5年間帰還できないとの方針だが、担当者は「この5年で除染効果を町民にどれだけ示せるかが勝負」と話している。

 

http://www.minpo.jp/news/detail/201301125981