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グリーンピース、大飯原発での過酷事故を想定した SPEEDI放射能拡散予測実施と 情報公開を原子力規制委員会に要請(Greenpeace) 10か月も先延ばし

2013-01-16 11:01:01

関西電力の大飯原子力発電所



関西電力の大飯原子力発電所
関西電力の大飯原子力発電所


国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは、本日15日、原子力規制委員会に対し、「関西電力大飯原子力発電所での大事故を想定したSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)のシミュレーション実施を求める要請書」を提出しました(注1)。これは翌日の16日に開催される原子力規制委員会の「大飯発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合第3回評価会合」に先だち、これまで10カ月以上も先延ばしされてきたSPEEDIのシミュレーションを実施するよう要請したものです。





滋賀県は文部科学省に対して、大飯原発の大事故を想定したSPEEDIによるシミュレーション実施を昨年3月上旬に要請していましたが、その結果はまだ滋賀県へ提供されていません。原発事故のシミュレーションは市民にとって非常に重要な情報であることから、グリーンピース・ジャパンは、同年3月27日に文部科学省に対して情報公開を要請(注2)した他、政府交渉等を通じて、滋賀県の要請に応えてシミュレーションの実施と公開を行うよう求めてきました。しかしながら、同年9月に同省から原子力規制委員会へと所管が引き継がれた後もいまだに実施されていません。

グリーンピース・ジャパンのエネルギー担当関根彩子は、「大飯原発は、原発の新安全基準が検討中であるだけでなく、敷地内を走る破砕帯が活断層なのかを判断する調査もまとまっていない中、国内で唯一稼働している原発です。原発から30km圏内の自治体によるSPEEDI試算結果の情報請求が昨年2月に可能になったことに加え、原子力規制委員会で採用されているMACCS2のシミュレーションで風向の設定ミスなどが続出している状況も踏まえれば、過酷事故時の放射性物質の拡散をSPEEDIでシミュレーションして公表することは緊急性が高く、直ちに実施されるべきです」と述べています。

大飯原発敷地内での破砕帯について、原子力規制委員会は再調査を終えていますが、敷地内に活断層が走っているかについての専門家の見解はまとまっていません。その上、福島第一原発事故のような過酷事故が起きた場合のリスク情報について、大飯原発の周辺自治体や近隣住民にほとんど提供されていないまま、昨年の7月から関西電力轄内の電力不足を理由に再稼働されて現在に至っています。

注1) 「関西電力大飯原子力発電所シミュレーション実を求める要請書」

注2) 「自治体から要請された、大飯原発の放射能拡散シミュレーションを速やかに公開することを求める要請書」


http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/2013112/pr20130115/