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茂木経産相、東電福島本社を訪問 「廃炉、前倒しを」と強調(各紙) 廃炉は急いでもらいたいが、政治家が言えば工程表が変わるというのはどうなのか?

2013-01-17 11:18:08

露骨に脱原発脱却を目指す茂木敏充経済産業相
茂木敏充経済産業相
茂木敏充経済産業相


茂木敏充経済産業相は16日、東京電力の福島本社(福島県楢葉町)を訪問した。福島第1原発事故を受けて設置した。事故の収束作業の支援などに当たる同社社員に訓示し、廃炉への取り組みについて「できるだけ前倒ししたい」と強調した。福島県側から要請された福島第二を含む県内10基全部の廃炉については、「県の意見を重く受け止め検討する」と述べるにとどまった。

茂木経産相は、30~40年かかるとされる第1原発1~4号機の廃炉作業について、「号機ごとに置かれている状況、困難度は違う」と指摘し、「全体のロードマップからもう少し細分化すれば前倒ししやすい」とし述べた。現在の中長期ロードマップに加え、各号機ごとの取り組みを示したものを作る考えを明らかにした。

 

また、内堀雅雄副知事から要請を受けた県内の原発全10基の廃炉について、「県の意見を重く受け止め検討する必要がある」と述べた。自民党は先の衆院選挙で、福島県内では「10基廃炉」を公約として盛り込んでいる。東電の福島本社は事故対応の拠点「Jヴィレッジ」に設置され、4日に業務を開始した。賠償手続きの迅速化や、手抜きが露見している除染作業の全面的な見直しと、技術的な支援などが主な業務となる。

ただ、経産相の指示で、廃炉作業が前倒しできるということならば、現行計画が、県民のみならず、日本人全員が望んでいる早期廃炉の要望を満たしていないことになる。あるいは、そうではなく、大臣の政治的要請で現場に無理を強いることになるのならば、新たな事故や、作業員の健康に影響が及ぶなどのリスクが高まる可能性もある。