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東大の研究グループ 福島原発事故による内部被曝、大気観測データから推定 (各紙)

2013-03-05 09:22:20

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fukushima9eb0ace7cb87e6c28f0928b2a588efde-300x226日本経済新聞などの報道によると、東京大学の研究グループが、福島第1原子力発電所の事故で出た放射性物質の広がりが、各地の大気汚染物質を測った観測データから推定できることを明らかにした。福島県などでとらえたこれらのデータを克明に調べれば、避難住民らが事故直後に受けた内部被曝の大きさを知る手掛かりになる。


 内部被曝を左右するのが放射性物質の雲(プルーム)の動きだが、今回の場合は、東日本大震災の影響で、各地にある放射線測定局の多くが地震で壊れてデータがない。そこで、東大の中島映至教授らは、大気汚染観測のために、浮遊粒子状物質(SPM)を1時間おきにろ紙で集める自動測定局に着目した。

福島市と茨城県から提供された7試料(福島市内が3、茨城県内が4)を調べたところ、放射性セシウムの微粒子が残り、濃度もわかった。短期間で放射線が半減する放射性ヨウ素も、セシウムと比べればおおよその濃度は割り出せることもわかった。




 原発事故の影響を受けた地域には、100以上の同様の測定局があるとみられる。事故当時のSPMのろ紙を保管している自治体もあり、これらのデータを調べれば、1時間ごとのセシウム濃度がわかる可能性もある。中島教授は「放射能拡散予測の精度を上げるうえでも拡散状況を示すデータは重要」という。徹底したデータの解析で、内部被爆の実態を解明するとともに、住民の不安を早期に取り除く必要がある。