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東電福島第一原発の汚染水 5、6号機へ移送検討 両機の廃炉可能性高まる(各紙)

2013-04-16 10:22:06

福島第一5,6号機
福島第一5,6号機
福島第一5,6号機


東京電力は15日、福島第1原発の汚染水漏れ事故対策として、漏出する地下貯水槽から地上タンクに移送する際の予備の移送先として5、6号機原子炉建屋を利用する考えを示した。両機の重要構造物である圧力抑制室(サプレッションプール)などを汚染水の貯留場所とする考え。5、6号機の廃炉化については、東電が抵抗しているが、原子炉建屋内に放射能や塩分濃度が高い汚染水を貯留することは、再稼働が事実上困難になる可能性が高まる。

5、6号機は2011年3月の事故以来、稼働していない。地元では同二機を含む福島第一全体と、福島第二もすべて廃炉にする要求が出ている。これに対して、東電は明確な姿勢を示していない。自民党も先の衆院選挙では福島県連が原発全廃炉を選挙公約に掲げたが、自民党本部は明確にしていない。こうした中で、5、6号機の原子炉建屋内に汚染水が実際に移送されれば、海水を流入した場合と同様の状態になり、廃炉の実現性が強まる。

東電は「今は(両機の)廃炉を判断する時期ではなく(移送先の候補に挙げたのは)廃炉に直結するものではない。それだけ汚染水の処理が緊急の課題となっているということ」と説明している。東電が二機の廃炉可能性を高める作業を容認せざるを得ないのは、汚染水漏れがそれだけ深刻な状態に陥っていること(打つ手が他にない)ということを物語る。
東電は当初、汚染水漏れが発覚した地下貯水槽の汚染水2万3600トンを地上タンクに移送する作業の実施を14日に開始する予定だった。しかし、使用する配管が、地下貯水槽間の移送にも使っていたため作業ができず、16日以降に遅れることになっている。