HOME |26日 チェルノブイリ(Chernobyl)原発は、事故発生から27年目を迎える(FGW) |

26日 チェルノブイリ(Chernobyl)原発は、事故発生から27年目を迎える(FGW)

2013-04-25 20:50:21

鋼鉄製のドームで覆われた石棺。だが一時しのぎにすぎない
鋼鉄製のドームで覆われた石棺。だが一時しのぎにすぎない
鋼鉄製のドームで覆われた石棺。だが一時しのぎにすぎない


1986年に史上最悪の原発事故を起こしたウクライナのチェルノブイリ(Chernobyl)原発は、26日に事故発生から27年目を迎える。未だに原発から30キロ圏内は立ち入り禁止が続き、原子炉の収束もメドが立っていない。「チェルノブイリの今」は、「福島の明日」である。

 

チェルノブイリ事故は、1986年4月26日未明に起きた。原子炉は炉心溶融の後に爆発し、上空高く舞いあげられた放射性物質は、旧ソ連から欧州全域へと拡散した。事故一週間後の5月3日に、日本でも雨水から放射性物質が検出された。

 事故で約16万人が移住を余儀なくされ、現在もなお、原発から半径30km以内の地域での居住が禁止されている。さらに、原発から北東へ向かって約350kmの範囲内にはホットスポットと呼ばれる局地的な高濃度汚染地域が約100箇所にわたって点在している。同ホットスポット内では農業や畜産業などが全面禁止され、その周辺にも制限地域がある。

 事故を起こした4号機は、コンクリートで封じ込めた(石棺と呼ぶ)が、老朽化したため、石棺全体を覆い放射線の拡散を防ぐかまぼこ形の巨大ドームを建設、このほどその全容が紹介された。ドームは鉄製で重さ2万9千トン、幅257メートル、高さ110メートル。石棺の隣接地で昨年3月に建造が始まり、既に基本構造はほぼ完成した。耐用年数は100年だ。

2015年10月には石棺密閉作業が完了する。問題はその後にある。密閉した石棺と原子炉を解体、内部に残る核燃料を処理しなければならないが、どのようにするかはこれからの課題だ。ドーム建設には欧州を中心に国際社会が資金を出した。だが、完成後の計画内容は事実上白紙の状態だ。