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東京電力、福島原発地下水放出へ 準備着々 今月末に地元説明会 (FGW)

2013-05-23 14:00:16

大量の汚染処理水保管タンクも満杯に近づいている
大量の汚染処理水保管タンクも満杯に近づいている
大量の汚染処理水保管タンクも満杯に近づいている


各紙の報道によると、東京電力は福島第1原発で増え続ける汚染水を減らすため、敷地内の地下水をくみ上げて海に放出する「地下水バイパス」計画への地元の同意を得るため、30日と6月7日に説明会を開催する。説明会は福島県いわき市と相馬市の地元漁業関係者向けで、説明会で理解を得た後に、地下水の海洋放出を実施する考えだ。

 

 東電は5月13日、いわき市内で開かれた県漁業協同組合連合会の組合長会議で計画を説明した。しかし、席上、海洋汚染や風評被害を懸念する漁業関係者から強い懸念の声が出て、地下水放水の決定を見送った。

 このため、今回、改めて漁業関係者向けの説明会を二か所で行うことにした。放出を計画している地下水自体は放射能汚染はないという前提だが、一昨年の原発事故で周辺地域に大量の放射能が拡散し、それらも時間をかけて地下水にしみだしてくるとの指摘もある。

 福島県が実施している水産物の放射能調査では、依然、食品基準を上回るセシウム等の検出が毎回見られる。特に、海洋の水産物だけでなく、河川等の淡水魚からの基準超過検体も減ってはいない。河川の水産物の汚染濃度が高いことは、地下水などにも共通して影響している可能性を捨てきれない。

また計測したデータへの信頼があれば、まだしも、東電のデータ把握に対しては、事故時以前から不信感があることも事実。漁業関係者が理解を示して海洋放出が可能になっても、福島県産水産物への不信感を国民の間から拭いさることは、簡単ではないだろう。