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国連人権理事会特別報告 福島事故の避難区域年間被ばく線量1ミリシーベルトに強化を 日本政府の初動対応も批判(各紙)

2013-05-24 22:01:19

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fukushimafadfd14f14c8fcb4f640f209e572136c各紙の報道によると、東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故の被災状況を調査したジュネーブで開いた国連人権理事会で、健康問題に関する特別報告が行われた。報告したアナンド・グローバー氏は、避難区域に適用している年間被ばく線量基準を、現行の20ミリシーベルトから、1ミリシーベルト未満に厳格化するよう求める報告書を公表した。
同氏は、原発事故発生後の日本政府の初動対策についても厳しく批判した。緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)が有効に活用されず、甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤が適切に事故地域に配布されなかったとするなど、子どもたちの健康保護がなおざりにされたことなどを指摘した。



報告書は、県民健康管理調査で子供の甲状腺検査以外に内部被ばく検査をしていない点を問題視。白血病などの発症も想定して尿検査や血液検査を実施するよう求めた。甲状腺検査についても、画像データやリポートを保護者に渡さず、煩雑な情報開示請求を要求している現状を改めるよう求めている。


さらにグローバー氏は、来週28日、同地の国連欧州本部で、日本の原発事故処理の問題点を議論するためのセミナーに出席する。同セミナーには日本から、井戸川克隆元双葉町長や日本の市民団体、欧州の専門家等もパネリストとして参加する予定という。


 グローバー氏は昨年、福島地域を調査した後に行った記者会見でも、日本における施策が十分でないことを指摘していた。福島被災地の回復のためには、子どもや女性等の参加による政策の策定、現行の健康調査も改善、1ミリシーベルト以下で生活する権利を人々が有することとその権利を確保するための補償・支援等の措置、支援立法を早急に実施すること等が必要、と指摘している。

 
◇グローバー氏の勧告の骨子 <健康調査について>・年間1ミリシーベルトを超える全地域を対象に

・尿や血液など内部被ばく検査の拡大

・検査データの当事者への開示

・原発労働者の調査と医療提供

<被ばく規制について>

・年間1ミリシーベルトの限度を順守

・特に子供の危険性に関する情報提供

<その他>

・「子ども・被災者生活支援法」の施策策定

・健康管理などの政策決定に関する住民参加