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茨城・東海村 原子力機構の加速器事故 換気扇3日間作動 「あえて止めず」 未必の故意!?(東京)

2013-06-19 11:20:09

tokai2013061999070603
事故後、実験施設を立ち入り調査する茨城県職員ら。この時も換気扇は回っていた=5月25日、茨城県東海村のJ-PARCで(清水祐樹撮影)
事故後、実験施設を立ち入り調査する茨城県職員ら。この時も換気扇は回っていた=5月25日、茨城県東海村のJ-PARCで(清水祐樹撮影)


放射性物質漏れ事故があった加速器実験施設「J-PARC」(茨城県東海村)の換気扇が三日間近く回っていた問題で、施設を共同運営する日本原子力研究開発機構(原子力機構)と高エネルギー加速器研究機構(高エネ研)は十八日、換気扇を「あえて止めに行かなかった」ことを、記者会見で明らかにした。意図的に回し続けた可能性は否定したが、詳しい理由についてはあいまいな説明に終始した。 (林容史、永山陽平)

 茨城県庁で会見した両機構によると、五月二十三日の事故発生後、施設内の放射線量が上昇し、十六基ある換気扇(排風ファン)を回した。一回目は約十五分で止め、二回目は二十六日午前十一時二十六分までの六十六時間にわたり、回し続けていた。当初は、二回目の作動時間を三十分間と説明していたが、両機構が職員らへの聞き取りを進めて誤りが明らかになったという。

 施設を統括するJ-PARCセンターの斉藤直人副センター長は会見で「施設内の線量は十分、下がっていた。数値的に問題ないため、換気扇を止めようとならなかった」と釈明する。

 今月十三~十五日に両機構が東海村内で住民説明会を開いた時点で、換気扇の運転時間は分かっていたが、事実の言及は一切なかった。

 住民軽視と受け取られかねない応対について、斉藤副センター長は「批判はそのまま受け止めたい。今、考えると(説明に)入れるべきだった」と謝罪した。

 回し続けた原因について「止め忘れたのでは」との記者の質問に、斉藤副センター長は「ちょっと語弊がある。多くの研究者が、換気扇が回っていたことを認識していた」と反論する一方、換気のため意図的に回し続けた可能性については「そういうことはない」と否定。「制限区域に立ち入ってまで止める意識がなかった」などと説明するにとどまった。

 両機構は十八日、第三者による事故検証機関の有識者会議を設置したことを明かした。

<J-PARCの放射性物質漏えい事故> 5月23日午前、J-PARCハドロン実験施設で標的の金に陽子ビームを当て、素粒子を発生させる実験中、ビームの出力が400倍に上がり、金の一部が蒸発して放射性物質が飛散した。研究者ら34人が被ばく、施設外の環境中にも放射性物質を放出した。国や県、東海村などへの報告も発生から1日半後と大幅に遅れた。

 

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013061990070603.html