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東電福島第1原発、汚染水流出防ぐため 護岸の土中に「人工壁」工事開始 (各紙) 応急措置の域出ず

2013-07-09 00:43:42

護岸に設置する人口の遮蔽壁の仕組み
護岸に設置する人口の遮蔽壁の仕組み
護岸に設置する人口の遮蔽壁の仕組み


福島第1原発敷地内の海際の観測用井戸で高濃度の放射性物質が検出された問題で、東京電力は8日、海洋への汚染水流出を防ぐため、1号機と2号機の間にある護岸の地盤改良工事を開始した。今月末までに終える予定。


 1,2号機の間にある観測井戸から5日に採取した地下水から、1リットルあたり60万ベクレルの放射性トリチウム(三重水素)が検出されるなど、原発建屋周辺に流出している放射性物質の検出濃度は毎日のように高くなっている。また、原発に隣接する港湾からも、1号機タービン建屋北東の護岸から、2200ベクレルのトリチウムを検出している。これらのことから、汚染水が海洋に染み出ている疑いが指摘されている。

このため東電は、海から4~5メートル離れた護岸沿いの地中に薬液で固めた「土の壁」を造成し、水の流れを食い止める計画を立てている。掘削機を使って深さ約14メートルの地点まで管を突き刺して、特殊な薬液を地中に注入し、水を通しやすい地層を固めて人工の遮蔽壁を造る。ただ、こうした応急措置で恒久的に流出を抑えられる保証はない。目先をかわす程度の効果しかないとの指摘もある。