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原子力規制委 福島原発の汚染水流出問題で ようやく「汚染水、海洋拡散疑い」と認める(FGW)

2013-07-10 12:33:22

genshiryokukiseiiinimg_key_visual
genshiryokukiseiiinimg_key_visual原子力規制委員会は10日の定例会合で、東京電力福島第1原発敷地内の海側の観測用井戸から高濃度の放射性物質が検出され、濃度が上昇し続けている問題で、「高濃度の汚染水が地中に漏れ、海洋への拡散が起こっていることが強く疑われる」との認識を、ようやく示した。

 規制委によると、観測井戸の汚染水濃度上昇の原因について、これまで東電は、事故直後の2011年4月に極めて高濃度の汚染水漏えいがあった2号機近くの作業用の穴が汚染源として、原発建屋からの流出ではないとの見解をとってきた。しかし、規制委は、こうした説明に対して「疑問がある」と指摘。汚染源を早急に特定する必要があるとの見解で一致した。

 観測井戸の汚染濃度は毎日のように上昇しており、9日の測定では、セシウム濃度が過去最高の3万3000ベクレルに達し、海洋流出の懸念が高まっている。田中俊一委員長は「具体的に原因を明確にし、最優先で対策を取る必要がある」と述べた。

 規制委は、ようやく事故原発からの放射能汚染水漏れの継続を認めた形だが、これまでの規制委の反応は意図的と思えるほど“鈍感”に終始ししてきた。原発二次汚染を防ぐためには、本来は、調査を東電任せにするのではなく、規制委が第三者の検査機関等を使って、原発と隣接する港湾の間の汚染水の流出状況を徹底的に調べ、その対策を迅速に打つべきだ。だが、規制委は現政権の意向を受けているのかどうかわからないが、信じがたいほどの対応の悪さといえる。