HOME |東電福島第1原発からの放射能汚染水流出問題 原子力規制委 ようやく東電に対策実施求める 東電の公式報告から11日経過 緊急性の意識全くなし(各紙) |

東電福島第1原発からの放射能汚染水流出問題 原子力規制委 ようやく東電に対策実施求める 東電の公式報告から11日経過 緊急性の意識全くなし(各紙)

2013-07-29 11:47:37

福島第一原発内の汚染水を観測する井戸
福島第一原発内の汚染水を観測する井戸
福島第一原発内の汚染水を観測する井戸


原子力規制委員会は29日、東京電力福島第1原発から放射性汚染水が漏洩、海洋に流出している問題で、第1原発の収束作業の適切性を点検する検討会を開いた。東電が公式報告した18日から11日も経過してからの対応ということになる。東電自体が早期に事態を把握しながら、参院選挙の開票翌日まで公表を遅らせるなどの隠蔽工作を行ったが、規制委も事態への緊急性を全く感じさせないのんびりした検討会となった。

 

 有この日開いた検討会は有識者で形成する「特定原子力施設監視・評価検討会」。東電が汚染水の海洋流出を公表して以降、初めての開催となった。検討会には規制委の更田(ふけた)豊志委員のほか、外部有識者が出席した。

規制委は検討会で、東電から汚染水の海洋流出の状況や、敷地内の汚染水の現状についてヒアリングした経緯を踏まえ、2号機海側の電源ケーブル用トレンチ(トンネル)の下部にある採石層(砂利)が汚染水の通り道になっているとの見方を強めている。こうした見方に立って、東電に対して、早期の対策実施を求めた。

 しかし、福島第一原発からの汚染水が海洋流出している懸念は、5月ころから東電の観測データでも放射性物資の濃度が上昇し、問題視されていた。今月10日には、さすがの規制委も「汚染水が地中に漏れ出し、海に広がっていることが強く疑われる」と指摘した。実は規制委はその一週間後の18日には、東電から流出の可能性が極めて高い、との報告を受けていたが、東電の公表はそれからさらに遅れ、22日になった。ちょうど参院選挙開票の翌日だった。

 2号機では2011年4月、タービン建屋と海の間にあるトレンチから極めて高濃度の汚染水が漏れたが、その際も汚染水は採石層を通って海に漏れ出た。採石層は、トレンチを設置する際に地面を平らにするため砂利を敷いた部分で、厚さは20〜30センチある。規制委は、採石層を固形化する薬液処理など、水の浸入を防ぐ対策を早期に実施するよう東電に求めた。