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福島第一で被曝の作業員約1万人、すでに白血病労災基準を超す 国の健康管理の杜撰さ露呈 (各紙) 

2013-08-06 00:54:54

国の実質管理下で、被ばく労災患者が大量生産されている
国の実質管理下で、被ばく労災患者が大量生産されている
国の実質管理下で、被ばく労災患者が大量生産されている


各紙の報道によると、東京電力福島第一原発で事故直後から9カ月間に及ぶ緊急作業時に従事した約2万人の作業員のうち、白血病の労災認定基準「年5ミリシーベルト以上」の放射能被曝をした人が約1万人に達していることが、東京電力の集計によって判明した。同作業は実質的に国が主導して実施しており、国の責任の重さが改めてクローズアップされる。

 

当時、東京電力の下請け、協力会社から派遣されて事故処理のために働いた作業員の多くは、この労災基準を知らないとみられる。対象者の特定と、健康検診チェック等の国挙げての支援体制を整備する必要がある。

通常、高濃度の放射能現場で作業をする原発作業員については、年50ミリ超、5年で100ミリ超を被曝すると、それ以上の労働はできない基準が定められている。しかし実は、これとは別に、がんの労災を認定する基準が存在している。それによると、白血病は年5ミリ以上被曝した人が作業開始から1年過ぎた後に発病すれば認定される。原発事故後には胃がんなどの労災基準もできた。

東電の集計によると、福島第一原発で2011年3月11日の事故発生時から同年12月末までに働いた作業員は1万9592人で、彼らの累積被曝線量は平均12・18ミリで、約5割にあたる9640人が5ミリ超の被曝をした。この人たちは今後、白血病を発病すれば労災として認定される。今年6月末には累積で5ミリ超の被曝をした人はさらに増えて、1万3667人になっている。

今後も福島第一原発での作業は、汚染水処理などのように高濃度の放射能被曝の恐れが高い作業が予定されている。白血病の「年5ミリ以上」の労災基準に該当する人は増え続けるとみられる。基準に該当する人は労災対象となるが、国が実質作業を主導している中で、明確な労災基準越えの作業員を大量輩出するのは、国の管理能力の欠陥を証明するようなものでもある。安倍政権には、従業員の健康管理の改善と、放射能被ばく対策の抜本改善が早急に求められる。